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2021/10/23(土)06:00

エネオス、再生可能エネルギー発電大手を買収 熱源の構造転換

環境・自然災害(110)

​ 日本の電力会社が原発存続のためどんなに国民を欺瞞しようと、世界は再生可能エネルギーの利用拡大にむけすすんでいる。 産油国であるサウジアラビアや米国の石油メジャーでさえ、再生可能エネルギーに将来を見出している。     ​​​テキサス州、石油・ガスと脱炭素の二刀流へ​(米国) 2021年5月24日 JETRO メジャーと言えば、米国の国民的娯楽とされる野球の大リーグ。今シーズンの話題は、投打の二刀流で好調のロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手だ。 かたや、テキサス州でメジャーと言えば、地域経済の中核をなす石油・ガス産業を連想する。投資家から強まる脱炭素の要請やバイデン政権の発足など、変化するビジネス環境の下、テキサスは環境エネルギー分野の二刀流に向けて歩みを始めている。  ―  引用終り  ―     ​​ 石油ビジネスの中心地テキサスでさえ、脱炭素に歩み始めている。 上記のJETROのレポートによると、テキサス進出日系企業が、米国での脱炭素プロジェクトへの参画・連携は下記の通り。  関西電力(2020年7月)、東京ガス(2020年7月)、 電源開発(2020年3月/8月)、 三菱重工業、トヨタ(2020年9月)、三菱重工業(2020年11月)、三菱重工業(2021年1月)、大阪ガス、三菱重工業(2021年4月)。 関西電力(陸上風力発電)も電源開発(太陽光発電)も、米国で脱炭素の脱炭素の歩みを始めている。     ​​​​ 日本の石油元売り大手のエネオスの構造転換は王道を歩んでいる。 王道があたっているかどうかは、保証の限りではない。     ​エネオス、再エネ大手を買収​2千億円で、構造転換加速2021年10月11日 共同通信 石油元売り最大手のENEOS(エネオス)ホールディングスは11日、再生可能エネルギー発電大手のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE、東京)を約2千億円で買収すると発表した。人口減少やハイブリッド車の普及を背景にガソリンの国内需要は減少している。世界的な脱炭素化の流れも見据え、石油に依存した事業構造からの転換を加速させる。 子会社のエネオスが2022年1月下旬、米金融大手ゴールドマン・サックスとシンガポール政府投資公社からJREの全株式を取得する。今回の買収でエネオスの国内外での再生エネ発電容量は、建設中を含め約122万キロワットになる。  ―  引用終り  ―     ​​■熱源の構造転換と高濃度放射性廃棄物 電力ビジネス的な観点からは再生可能エネルギー発電(再エネ発電)に電力会社も力を入れるべきなのだが、国策企業ともいえる日本の電力各社は、原発ビジネスを丸く収めるのが最優先事項となっている。 現時点では高濃度核放射性廃棄物の最終処分場建設のあてはなく、原発がすべて廃炉になると高濃度放射性廃棄物の保管場所、行先がなくなるため、原発の再稼働を最優先事項としている。 原発の再稼働のためには、再エネ発電による電力が大量かつ安定的に供給されては困るので、自らは大々的に手をつけられない。     ​​ 福島原発事故後に電力不足を言い立て、その後は夏の電力不足による危機を言い立て、それもクリアすると冬の電力不足による危機を言い立て続ける。 家庭も企業も、省エネ型エアコン、冷蔵庫への転換がすすむ。熱源としての都市ガスの利用も拡大している。     ​​ 世界も日本社会も電力会社の電力に依存しない構造への転換がすすんでいるが、EVの普及拡大は石油元売りの供給減少の危機であり、電力会社の供給拡大の危機でもある。     ​​ 本当に危機なら例えば、中部電力が尾鷲火力発電所を再稼働したのち、老朽化を理由に破棄した理由が分からない。尾鷲火力発電所は早々に解体撤去され、忌まわしいものであったかのように、跡地は整地されている。 中部電力には日本最大の工業地帯で、電力需要が安定的に旺盛と思われる中京工業地帯がある。 中部電力川越火力発電所の3号機、4号機は、世界トップクラスの熱効率48.5%(より低炭素)のLNG火力発電所だが、最近はあまり自慢していない。 また本発電所構内に中部電力の太陽光発電設備がある。武豊火力発電所5号機の開発に伴い「メガソーラーたけとよ」の発電設備を「メガソーラーかわごえ」と名称を改め移設されたものだが、2017年5月31日に全面で運転を開始した。 原発以外の低炭素化で大規模な電力供給の取組は、探せばもっとあるのだろう。     ​​ 優秀な電力会社の諸氏が、EVの普及拡大による電力供給危機を社会に訴えるのはいつの日か。 電力危機を訴え続けて時間稼ぎをしないと、原発不要論が趨勢となる。廃炉がすすめば、高濃度放射性廃棄物の保管場所がなくんり、処分方法と最終処分場という本当の危機に日本が襲われるからだ。 高濃度放射性廃棄物である使用済み核燃料を貯めこんだ活断層の上にある原発が、大地震などの被害で崩壊しないことを祈る。      ​​​

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