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2022/01/21(金)06:00

COP26、脱エンジン宣言について

EV  電気自動車(368)

​​ 2021年11月10日、議長国である英国政府はCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)で、先進国は2035年まで、途上国は2040年までに全ての新車を二酸化炭素を排出しない車(ZEV)にするという宣言を発表した。 日本の自動車メーカーが得意とするHVは、内燃機関を搭載しているので、販売禁止となる。     ​​ この宣言には、スウェーデンやオランダなど欧州を中心に24カ国と韓国ソウル市、米国カリフォルニア州、ワシントン州など、39の地域が同意した。EV市場が順調に伸びをみせている国々だ。  米・ニューヨーク、伊・ローマなどの都市も賛同した。  メーカーでは、独・メルセデス・ベンツ、米・GM(ゼネラル・モーターズ)、米・フォード、中国・BYD(比亜迪)、英・ジャガー・ランドローバー、ボルボカーズなどが賛同した。      ​​ 内燃機関の販売禁止宣言は、2021年4月のホンダの「脱エンジン宣言」を連想させる。      ホンダの“脱エンジン宣言”で ​浮き彫りになったのは日本の課題​ 鶴原 吉郎 オートインサイト代表​​2021.5.19 日経ビジネス   …  (略)  …  その三部氏が、4月23日の社長就任会見で驚きの発表をした。国内の完成車メーカーで初めて「2040年にグローバルで電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)の販売比率を100%にすることを目指す」と宣言したのだ。  これまでに、プレミアムブランドではスウェーデン・ボルボや英ジャガー・ランドローバー(JLR)のジャガーブランドが2030年までにハイブリッド車(HEV)を含むエンジン車の販売をやめることを表明している。また量販メーカーとしては、米ゼネラル・モーターズ(GM)が世界で初めて、2035年までに同社のライトビークル(乗用車、小型トラック)からのCO2排出量をゼロにすることを目指すと発表した。しかし日本メーカーで完全に「脱エンジン」を宣言するのはホンダが初めてだ。筆者の中にはまだ “慎重な発言の三部氏”の面影が色濃く残っていたから、この会見の思い切りの良さには驚かされた。   …  (略)  …       最も問題なのは日本 2030年にEV、FCVの販売比率40%を目指す北米、中国に対して、日本の販売比率は「2030年に20%、2035年に80%、2040年に100%」と2030年の比率が大幅に低い。2030年には「HEVを含めて100%電動車とする」ことを目指すとしているが、それでも国内のEV化・FCV化には消極的なように見えてしまう。この点について聞かれた三部社長は「日本国内ではHEVの比率が世界で突出して高く、電力事情を考慮するとHEV化を進めることが現実的な解ではないか」と回答していた。 この三部社長の回答からもうかがえるように、今回のホンダの発表で浮き彫りになったのは、ホンダの課題というよりもむしろ日本という国の課題である。2030年の日本のEV、FCVの販売比率目標が低いのは、もちろん日本でHEVの人気が高いということもあるだろうが、根本的な原因は日本の発電に占める火力発電の比率が高いことだ。  ―  引用終り  ―      ​​​ EV化を積極的に推進するメーカーは、COP26を自らの先進性を投資家に示す場とした。  11月10日のトランスポートデーで、ボルボのホーカン・サミュエルソン社長が登壇し、メルセデスのオラ・ケレニウス社長はビデオに出演すると同時に、会場にも姿を現した。     ​​ 中国、米国、ドイツ、日本など内燃機関の自動車販売台数が多く、自動車生産台数が多い国々は、宣言に参加しなかった。  水素やアンモニアなどの熱源開発にも力点をおいている日本の岸田文雄首相は、「あらゆる技術の選択肢の追求」が重要との見方を示し、脱炭素化に向けてBEVシフト一辺倒となっている現状に疑問を示した。  トヨタ自動車、独・フォルクスワーゲン(VW)、仏・ルノー、英国に生産拠点がある日産自動車も参加しなかった。​​

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