SAC.COM

2022/05/18(水)06:00

ふつうの家 普通の世帯の所得と貯蓄

経済(440)

 敗戦後の日本で昭和の時代、普通、平均であれば中流家庭というような意識が支配的だった。 「普通の家(家庭)」は父、専業主婦の母、子ども2人のイメージが強かった。 当時でも「ふつうの家」がどれほど普通であったかは分からない。 定年までの雇用契約(正規雇用)が減り、夫婦共働きが多くなるにつれ、「ふつう」が何か分からなくなってきた。 「普通」「ふつう」が好きな日本人は、世の中が不確かで不透明とより強く感じるようになった。 昔から世の中は「不確か」で「不透明」だったのだが……。  貯蓄平均は1079万円、中央値420万円。この差をどうみるかで、貧富の差が大きいのか小さいのか、二極化の是正の必要があるのか、ないのかが決まるようだ。     ​​​年収400万円は「ふつうの世帯」?!​みんなの貯蓄の平均と中央値を大解剖2022年5月9日 LIMO 日本人の平均年収ラインの人はいくら貯金があるのか このところ連日為替のニュースが続いていますね。「円安」という報道も多くなっています。 輸出企業にとっては業績にプラスとなりますが、家計で見ると、日本は食糧やエネルギーを輸入に頼っているため、生活へのマイナス影響もこれから目立ってきそうです。 電気やガスなど光熱費が追加で値上がりする可能性があり、ガソリンや、エネルギーを使うさまざまなサービスの価格についても、上昇圧力となりそうですね。  通常、賃金の上昇と物価の上昇には強い相関がありますが、現在の日本では賃金が上がらないなか、物価は上がるという厳しい状態となっています。 そんななか、今回は日本の「ふつうの世帯」ともいえる年収400万円台に注目し、収入に対する貯蓄事情を見たうえで、できる対策を考えてみたいと思います。     ​​世帯の所得・中央値は年収400万円台 …  (略)  … 平均所得金額は552万3000円ですが、平均は一部の大きな金額に影響されるため、中央値の437万円がより実態に近いといえます。 では、年収400万円台の貯蓄について確認していきましょう。 年収400万円台の働く世帯、みんなの貯蓄・負債は? まずは総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)」から、年収400〜450万円と450~500万円の働く世帯の家族背景と貯蓄事情をみていきます。 年収400万~450万円(平均年収423万円) 世帯人員:3.23人(うち18歳未満人員0.87人) 世帯主の年齢:50.6歳 女性の有業率:39.4% 平均貯蓄額:911万円 平均負債額:555万円(うち「住宅・土地のための負債」508万円) 純貯蓄額:911万円(貯蓄)-555万円(負債)=356万円 年収450万~500万円(平均年収474万円) 世帯人員:3.05人(うち18歳未満人員0.81人) 世帯主の年齢:50.1歳 女性の有業率:49.5% 平均貯蓄額:813万円 平均負債額:601万円(うち「住宅・土地のための負債」560万円) 純貯蓄額:813万円(貯蓄)-601万円(負債)=212万円  世帯人員は3人で、世帯主の年齢は約50歳。女性の有業率をみてみると共働き世帯が半分を占めます。そして、これから大学などへ進学予定の子どもが1人いると考えられますね。 貯蓄は800~900万円ほどですが、負債を引いた純貯蓄で見ると決して貯蓄が多いとはいえない状況です。  次に、より実態に近い中央値の金額をみてみましょう。     ​​より実態に近い中央値はいくら? 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年(2020年)調査結果」から、年収300~500万円未満世帯の貯蓄を確認します。 年収300万円台世帯も含まれますが、平均とともに中央値も載っているので参考までに確認しましょう。 【年収300~500万円未満世帯】(金融資産非保有世帯を含む) 貯蓄平均1079万円・中央値420万円 金融資産非保有:17.9% 100万円未満:8.4% 100万円~200万円未満:7.3% 200万円~300万円未満:7.8% 300万円~400万円未満:4.9%  400万円~500万円未満:5.5%  600万円~700万円未満:7.4% 700万円~1000万円未満:6.4%  1000万円~1500万円未満:8.8% 1500万円~2000万円未満:6.5%  2000万円~3000万円未満:8.5%  3000万円以上:8.4% 無回答:2.3%     ​​ 平均は先ほどと近い水準で約1000万円ですが、中央値は420万円まで下がりました。  内訳も見てみましょう。最も多いのは金融資産がゼロの世帯で約18%。次に「1000万円~1500万円未満」(8.8%)「2000万円~3000万円未満」(8.5%)「100万円未満」と「3000万円以上」(ともに8.4%)でした。 金融資産ゼロの世帯が17.9%であり、2000万円以上保有している世帯も16.9%と同じような割合です。貯蓄が二極化していることがうかがえます。  ―  引用終り  ―      ​​ たぶん今重要なのは、「ふつう」がどの水準であることよりも、購買力平価の国際比較で日本の「普通」が世界の中でどのような位置づけかということだろう。 日本は先進国で比較的豊かな国と思っている人が多く、貧乏もみんなで暮らせば怖くない(仕方ない)、と思っている人はまだ少ないと思う。 ​

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る