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2024/05/07(火)06:00

世界EV市場の動向 ホンダの取組

EV  電気自動車(371)

​ ホンダは、2050年に同社の製品と企業活動を通じて、カーボンニュートラル実現を目指す。 2040年にEV・FCEV の販売比率を100%とする目標を掲げ、最大市場である北米においても、電動化の時代に引き続き魅力的なモデルをユーザーに届けていくとしている。     ​​ トヨタとホンダはEV(BEV)の「取組が出遅れた」、「EV化に消極的」との報道が多かったが、両社は内燃エンジン車の価格・性能で引けを取らないEVの生産体制構築を進めている。 BEVでは米テスラと中国・BYDが利益を上げ、他はことごとく赤字、生産体制縮小となっている。普及拡大とともにEVの短所も明らかになっている。 ■2023年 EVのシェア 2023年1〜12月、日本の普通乗用車と軽自動車を合計したEV新車販売台数は約9万1000台、前年比の約1.5倍。新車販売のシェアは約2.28%。 米国のEV(BEV)販売台数は約119万台、新車の販売台数におけるEVシェアは約7.6%。 EUの新車販売におけるEV(BEV)のシェアは約14.6%(約154万台)に上り、初めてディーゼル車のシェア(13.6%)を上回った。  欧米ではEVがアーリーアダプターに行き渡ったとみられている。 中国のEV(BEV)の販売台数は約669万台で、新車販売シェアの約22.2%。 ■2024年以降の動向 米国、EUではEVシフトの鈍化、2024年のEV販売の減退が伝えられるが、新車市場の一定比率をEV(BEV)が占めている事実に変わりはない。 発表したすべての新車をEV化する計画について、ドイツのVW、アウディ、ベンツ、BMWは断念している。 世界最大の新車市場である中国ではNEV(新エネルギー車)の普及実績をもとに、2027年までに、すべての新車販売に占める電気自動車(EV)など新エネルギー車の比率を45%に高める目標を、2024年1月11日に中国政府が発表した。  2024年4月23日、IEA(国際エネルギー機関は、EV(電気自動車)とPEEV(プラグインハイブリッド車)を合わせた2024年の世界販売が、過去最高、前年比約2割増の1670万台に上るとの予測を公表した。 中国は約25%増の1014万台で、中国国内では新車販売全体に占めるEVとPHVの比率が約45%に上ると試算。「EVシフト」、バッテリーの供給力と価格競争力をてこに国内EVメーカーを育成し「自動車強国」を目指す中国が約6割を占める。  テスラが発表した2024年1-3月期決算は、売上高が213億100万ドル’(前年同期比9%減)、最終利益は11億2900万ドル(55%減)。減収減益は20年4-6月期以来、ほぼ4年ぶり。ドイツ・ベルリン工場の火災で欧州市場向けの出荷が大きく減ったこともあるが、主要市場の米国と中国で値下げしたにも関わらず販売が減少した影響が大きく、世界販売台数は38万台余り前年同期比で9%の減少となっている。     ​​■ホンダの取組 2023年10月25日、ホンダは米国のゼネラルモーターズ(GM)と共同開発する量販価格帯の電気自動車(EV)の市場への投入計画を中止することが明らかになった。2024年初頭に北米で発売開始予定のバッテリー式EV(BEV)「プロローグ」の共同開発を含め、両社の包括的な協業体制は継続するとした。 2024年1月8日、ソニーグループとホンダの共同出資会社、ソニー・ホンダモビリティは、生成AI(人工知能)を使った対話型システムの開発で米マイクロソフトと提携し、ソニー・ホンダが開発中の電気自動車(EV)「AFEELA(アフィーラ)」に搭載すると発表した。  EVシフトをはかるホンダは、電池・半導体のサプライチェーン(原材料・部品の供給網)の強化をすすめている。 電池工場の新設では、米国・オハイオ州で韓国LGエナジーソリューション(約5900億円)、日本でGSユアサ(4300億円)をすすめている。 世界最大の半導体ファウンドリー、台湾積体電路製造(TSMC)と協業をはかり、EVのサプライチェーンの基盤を構築している。     ​​ カーボンニュートラルの取組の一環として、バイオエタノールのハイブリッド車の生産にも取り組んでいる。 2024年4月19日、ホンダは、ブラジルで2030年までに42億レアル(約1200億円)を投資する計画を発表した。 バイオエタノールなどのアルコール燃料でも走れる「フレックス燃料車」のハイブリッド車(HV)を投入する。 サンパウロ州内にある工場の生産量拡大を目指し、現在の従業員約3500人に、約1700人を追加する。  2024年4月25日、ホンダは、カナダに電気自動車(EV)と電池工場を新設すると発表した。総投資額は150億カナダドル(約1兆7千億円)で2028年の稼働目指す。カナダ政府などの資金支援を受けながらもホンダとしては過去最大規模の投資。電池、材料を含めた供給網を北米で構築し、EV生産をすすめる。     ​​​ホンダと旭化成が合弁会社​北米、EV電池材料で協業2024/04/25 共同通信社 ホンダと旭化成は25日、北米の電気自動車(EV)市場の拡大に向け、リチウムイオン電池材料事業で協業すると発表した。カナダでの新たな合弁会社設立で基本合意。電池の主要材料「湿式セパレータ」で、膜の製造から塗工までを一貫生産する工場をカナダ東部オンタリオ州で2027年に稼働する予定だ。  新会社は24年10月に発足する計画。土地の取得や工場の新設費用で計約1800億円を投資する。日本政策投資銀行からの出資のほか、カナダ政府などから補助金も受ける。  材料はホンダを含めた自動車メーカーのEVに搭載されるバッテリーに活用し、高性能化を実現する。増産で安定的な供給網も確立できると見込む。  ―  引用終わり  ―      ​​  量産によるコストダウンを進めるためには、市場規模を見極め、適切な生産体制を構築しなければならない。  

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