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2024/05/23(木)16:00

中国 大型飛行艇AG600、夜間飛行試験成功

民間航空(254)

 新明和の飛行艇を相似形で大きくしたような中国の大型飛行艇AG600が夜間飛行試験に成功したとのこと。 不法占拠がすすむ島嶼防衛・維持の要ともなりうる機種と考えると外洋での離着水性能が使い勝手を大きく左右する勝負どころ。夜間飛行試験は全天候性の重要な要素だが、飛行艇だけに必須の能力ではない。 海洋調査、偵察機、哨戒機としては、離着水性能とともに、夜間、荒天などの飛行性能は重要点の一つと思われる。     ​​国産大型水陸両用機​AG600の初の夜間飛行試験に成功​―中国Record China  2024年5月13日 陝西省蒲城県にある国家民生用航空機試験飛行拠点でこのほど、中国が独自に研究開発した大型水陸両用機のAG600(通称:鯤竜)の夜間飛行試験が初めて行われた。夜間の飛行試験では、主に機体の照明システムの検証が行われた。検証の結果、照明システムは、夜間において、パイロットが必要とする十分の明るさの照明を提供すると同時に、眩しさ、反射光、ビネッティング、直射光などは発生しないことが確認された。これは、AG600が夜間飛行の能力を備えていることを確認する重要なステップとなった。環球網が伝えた。     ​​ 太陽が沈む前に離陸したAG600は数時間の飛行を経て、試験飛行任務を無事に終え、午後10時に安全に着陸した。試験の過程において、計9回の連続離着陸が行われた。5回目の離着陸以降、満足できる評価が得られたという。今回の夜間飛行の検証が成功したことで、安全に夜間飛行できることが確認されたほか、その使用範囲を一層拡大し、そして全天候試験飛行を実施する上で、貴重なデータが得られ、経験を積むことができた。  ―  引用終わり  ―     ​​ AG600救難機タイプは、最大12時間の滞空、航続距離は4,500km、2m以上の波に対応した着水能力を有し、最大50名を収容可能とされる。 WJ-6 ターボプロップエンジンは、3,805 kW (5,103 hp)×4基で、ロシア・イーウチェンコ設計局のライセンス生産。 救難以外にも、改造により空中消火、海洋調査などへの対応することができるとされる。 AG600諸元 定員: 50名 全長×全幅×全高:37.0m×12.1m×38.8m 空虚重量: 32,000kg 最大離陸重量: 53,500kg     ​​​ 新明和のUS-2は、公称で波高3mの海へ着水、50 - 53ノット(時速約90km)で離水可能。現代の飛行艇として世界一と思われる。AG600は計画当初US-2並みの波高3mでの着水を目指していたが、早々に断念したようだ。早期に実用化を目指すなら、賢い選択と言える。      ​​  飛行艇のニーズは世界に幅広くある。国産飛行艇のUS-2が売れないのは、あまりに価格が高すぎるため。同様の離着水性能を持つPS-1やUS-1なら安く売ることができそうだが、製造ラインが存在しない。  高機能高性能だけでは売れない点は、日本の家電業界と同様。   ​

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