☆米貿易収支、過去最大の赤字
2021年12月21日に米国商務省が発表した2021年第3四半期(7~9月)の貿易統計によると、輸出は前期比0.8%増の6,324億ドル、輸入は2.7%増の8,574億ドルで、赤字額は179億ドル増加し2,250億ドルとなった。赤字額は1960年以降最高水準となり、3期連続で記録を更新した。 2022年2月8日に発表した2021年の貿易収支は、コロナ禍で在庫の積み増しがすすみ輸入が急増したことから、過去最大の赤字となった。対中貿易赤字も2020年比で増加した。 米貿易赤字、21年は27%増の8591億ドル過去最大2022年2月9日 ロイター 米商務省が8日発表した2021年の貿易収支は、赤字が前年比27.0%増の8591億ドルと、前年の6767億ドルから拡大し、過去最大となった。企業が在庫を積み増す中、輸入が急増した。 WFDBONDSのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「生活が元通りになるまでは米国の貿易収支は元に戻らないだろう」と述べた。 ウェルズ・ファーゴのシニアエコノミスト、ティム・クインラン氏は「米国内の在庫を補充する必要があるため、国内需要がサービスに戻っても、輸入は好調を維持する」と指摘。「やがて内需が鈍化し始め、世界的な回復が続けば、来年の貿易は成長に対してより中立的な力になるだろう」と述べた。 財の貿易赤字は18.3%増の1兆1000億ドルと過去最大。財の輸入が2兆9000億ドルと過去最大だった。工業用品・素材の輸入が14年以来の高水準に達した。食品、資本財、消費財などの輸入も過去最大。21年はメキシコ、カナダ、ドイツなど70カ国からの輸入が過去最大だった。 一方、財の輸出は23.3%増の1兆8000億ドルと過去最大。工業用品・素材、食品、消費財、石油の輸出が過去最大だった。21年は57カ国への輸出が過去最大。対メキシコで2765億ドル、対韓国で658億ドルに増加した。 対中国でも21.4%増の1511億ドル。ただ中国からの輸入は16.5%増の5064億ドルとなり、対中貿易赤字は20年の3103億ドルから3553億ドルに増加した。 ― 引用終り ― 米中関係の改善は望むべくもない。 日本は対米貿易で表に出ることはなく、対中貿易が中心となっている。 2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で日本と世界との貿易総額が1割減となった中、日本の対中貿易額の減少幅は相対的に小さく、日本の貿易に占める中国の比率は過去最高となった。 輸出(中国の対日輸入)は2.7%増の1,760億8,888万ドル、輸入は3.1%減の1,641億591万ドルとなった結果、日本の中国に対する貿易収支は119億8,297万ドルと、4年連続の黒字となり、黒字幅は前年の5倍以上に拡大した。 米国は日本を見逃してくれるだろうか?