EV不振の日系自動車メーカーは好決算
2022年の自動車販売台数は前年比2.1%増の2,686万台(その内、乗用車が2,356万台、商用車が330万台)、生産台数は同3.4%増の2,702万台だった。 中国の自動車産販売台数と生産台数はいずれも世界全体の3割を超え、世界最大の規模となっている。 増加要因は新エネルギー車(NEV)の販売増。前年比で93.4%増と、2021年に続いて大幅に伸びた。 自動車販売台数に占めるNEVのシェアは25.6%。自動車輸出台数は311万1,000台、前年比54.4%増となり2年連続で過去最高を更新した。 2023年の中国での自動車販売も安価なBEVをもたない日系各社の販売台数は前年比マイナスを続けている。 中国 6月の新車販売台数 5か月連続で増加も日系各社はマイナス2023年7月11日 NHK 中国の先月の新車の販売台数は、去年の同じ月と比べて4.8%のプラスと5か月連続で増加した一方、日系各社の販売台数はマイナスとなりました。 中国の自動車メーカーなどでつくる「自動車工業協会」によりますと、先月の新車の販売台数は262万2000台で、去年の同じ月と比べて4.8%のプラスと、5か月連続で増加しました。 … (略) … 業界団体は、今後の見通しについて、ことし1年間では安定した成長が期待できるとする一方、需要が依然として不足しているなどと、中国の景気回復の勢いが鈍くなる中で警戒感も示しています。 一方、日系メーカー各社が発表した先月の中国での販売台数は、去年の同じ時期と比べて軒並みマイナスとなっていて、減少幅は、▽トヨタ自動車が12.8%、▽ホンダが19.8%、▽日産自動車が28%となっています。 ― (略) ― 今のところEVを製造原価に対して適切な価格で販売している自動車メーカーはほとんど無いようだ。 2022年の通期(1~12月)決算で、中国のEVメーカーはBYD以外軒並み赤字決算、米国・GMは増収減益、フォードモーターは2年ぶりの赤字。 環境団体やマスコミに「EVで出遅れた」と非難される日系メーカーは好決算。 トヨタ自動車の2023年3月期通期連結業績(2022年4月1日~2023年3月31日)は、営業収益37兆1542億円、営業利益2兆7250億円で増収減益。営業収益は過去最高。税引き後の利益は2兆4513億円。 ホンダは6月23日、5月11日に公表した2023年3月期連結決算を北米で展開する4車種計約148万台がリコール対象となり、関連費用の見積もりに変更が生じたため訂正した。6952億円としていた純利益を6514億円に引き下げた。 日産自動車は、2023年3月期の連結純利益予想について、前回見通し(前年比28.1%減の1550億円)を4割上回る2200億円に上方修正した。売上高は10兆5千億円(前回見通し比3.7%減)、営業利益は3700億円(同2.8%増)。 ホンダの2023年4-6月期(第1四半期)営業利益は前年同期比78%増の3945億円。2024年3月期の営業利益は過去最高の1兆円を見込んでいる。 今のところ、EVの製造・販売に力を入れない方が利益は上がる。そして一般に赤字のビジネスは続かない。