2006/05/24(水)10:14
久しぶりにヒルズの映画館で。
最近あまり行っていなかった六本木ヒルズの映画館で、
『単騎、千里を走る』を見ました。
高倉健さんのファンなのです。
といっても、映画は鉄道員(ぽっぽや)とかホタルとか最近のものしか記憶にありません。
南極物語も見たけれど、帰りに食べたお蕎麦があんまり美味しくなかったことの方が、
強く記憶に残っているくらいです。
でも、彼のエッセイがすごく好きで、
それは全部読んでいます。
世界中を旅した中で出会った人々とのエピソードが綴られているものなのですが、
四角い心がまあるくなるようなお話ばかりなのです。
これを読んだ人が、少しでも、人間って悪くないな。
生きてるって悪くないなと思ってくれるといい。
そのようなことが書かれていたと思うのですが、
まさに、そんな気持ちになるお話がいっぱいなのです。
で、その健さんが主演。
しかも『初恋のきた道』のチャン・イーモウ監督とあれば、
見ないわけには行きませんっ!
日曜日の最終回は、3分の1も人が入っていないほど空いていて、
見やすい席を確保して鑑賞できたのですが、
映画は、思ったほどよくありませんでした。
と言いながら涙はぽろぽろと零れ落ちてしまったし、
「言葉がわからない」という主人公の不安や、距離感がよく伝わってくる映像だったし、
健さんの演技もすごく素敵だったのですが、
それでも、よくなかったなと思うのは、
たぶん監督が健さんのことをすごく好きだからなんだと思います。
映画の本筋とは脈絡がないような映像がいくつかありました。
あれは、「監督が好きな健さん」をどうしても入れたかったからだと思うのです。
健さんのナレーションの声や音の質感や距離感も、
作品の世界には合っていなかったと私は思いました。
対象を、あまりに好きすぎると客観視できなくなるからなあ。
って。
そんな気がしました。