毎日の外来診療で最も気を付けていること 実践編。
私は開業医なので毎日外来診療をしています。 医療と言うのは様々な不安を抱えた患者様に対応するものなので「究極のサービス業」であると考えており、常にニコニコと笑顔で接することを心掛けていますが、まあそれは当たり前のことではあります。 今日はそんなことではなく、患者様から日々放たれる様々な訴えの中で、自分が何に最も気を付けているか?というお話です。 それは、 飛蚊症(ひぶんしょう) です。 これは目の中の硝子体(しょうしたい)の濁りが網膜に写ることによって生じるものなのですが、急に生じた飛蚊症の一部に、網膜剥離裂孔(網膜に穴が開いている状態)、網膜剥離、眼底出血、ブドウ膜炎などの急ぎの治療が必要な病気が隠れていることがあるからです。 特に飛蚊症に光視症(光が走って見える症状)が合併しているときには、網膜の状態が急激に変化していることがあるので要注意です。 そのため私はニコニコとして外来に座っていても、患者様からこの飛蚊症や光視症の訴えを聞くと、目の奥が「キラーン」と輝きます。そしてすぐに OCT(3次元眼底解析検査) と オプトス(画角200度の超広角の眼底撮影) 検査をさせて頂いています。そしてやっぱり、一定の頻度で 網膜剥離などの重篤な病気 が発見されます。 眼科開業医として、この「飛蚊症に隠れた重い病気」を見逃さないことが、何よりも大切なことであると考えています。