人間仁科のブログ・八重山見聞録外伝

2007/04/11(水)06:54

TOO HOT ~無謀で軽率で自由なる旅の記録~ 055

旅の記録(62)

【つづき】 またも渋滞に巻き込まれつつ夕刻前にバンコックの 喧騒へと再び舞い戻った俺は、定宿と化したクラッ シック・プレイスで荷を解き、鳩眞子と一緒に夕刻 のひと時を過ごした王宮広場へと向かった。 どうにも彼女のことが頭から離れないのであるが、 離れないのだからそれ以上どうしようもなく、好き とか愛してるとかそういう軽率極まりない断じ方ば かりは尚早であろうと自らに厳に言い聞かせ、でも 取りあえずは多少の感傷に浸るも好しってことで王 宮広場で独りぶらぶらと。 広場に凧がいっぱい上がっていた。 鳩眞子と来た時も凧が一杯あがっていた。 小学校の先生である彼女が、タイランドの凧揚げを 教え子たちにも見せてやりたいな。とか言ってた事 を思い出したる俺は一考。タイ人の皆さんが行う凧 揚げそのものを見せるのは少々困難を伴うと言うか、 まさかタイ人の皆さんを凧持参で日本へと向かわせ るわけにも行かないのであればそれは無理として、 此処は取りあえず鳩眞子先生へ凧を送るのが宜しか ろうと俺は屋台の凧売りのおばちゃんから凧を購入。 ついでにおばちゃんと何やら談笑。途中からおばちゃ んの娘も加わり、その娘がこれまた美人で年頃の女 性であれば談笑にも更に力が入ると言うものであり、 ついさっきまで 鳩眞子、おお鳩眞子よ。YOU ARE EVERYTHING. なんて具合に心の中で呻いていたのも綺麗さっぱり 忘却し、いやあタイランドの女の子もなかなかどう して魅力的だわな。とか呟きながらデレデレとやる 体たらくであり、デレデレついでに写真まで撮らせ ていただき、親子のツーショットでなく娘単体なら もっと良かったのであるが、母からはタイ語で凧の ことをウァオと言うことなんかも教えていただいて 俺はすっかり感謝感謝。サンキュサンキュ。コープ クンカップ、ありがとう又会う日までごきげんよう。 なんて具合にして広場を後にしたのであるが、なん となれば俺はいつの間にやら片言の英語と少々の タイ語なんぞを操っているのであり、十日前とはま さに隔世の観、別人の趣すら漂わせていたのであ るが、それもこれも縞雄や善児、鳩眞子との出逢い があればこそと俺はあくまで謙虚。謙遜。恐懼を尽 くして彼らを想い、少しだけ自信なんぞも覚えた渡 航十日目のわたくしなのであった。 【つづく】

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