人間仁科のブログ・八重山見聞録外伝

2009/04/09(木)15:05

夢を捨てよう!

パーソナル(25)

夢など百害あって一利なし。 やや極論であるが、現実というものをきちんと見据えた言葉であると自負している。だいたい誰が最初に夢なんちゅうあやふやで、一面的で、視野狭窄に陥るような概念を肯定し始めたのだろうか。 で、世間一般じゃ誰も彼もが「夢だ夢だ。夢の実現だ。夢を追いかけるんだ」なんて妙に堂々と胸張りまくり気味に騙ってくれるが、よくよく聞いてみりゃほとんどの『夢』ってのはプロ野球選手になりたいだのハリウッドで映画を撮りたいだのパティシエになりたいだの一億円稼ぐだの成功報酬満額型とも言えるような極めて尻の穴の小さな、まさに自分さえ良ければOK!自分のことしか見えない的な夢や希望ばかりなのである。なんじゃそりゃ。と私は思う。 妙に威張りくさって夢だ希望だと語ってくれるなら戦争紛争のない平和を世界をつくってみせる!ぐらいのことは最低限言って欲しいのであるが、ま、300歩から500歩ぐらい譲って、せめては「外国に武器や兵器を輸出するような企業を叩き潰してやるよ」とか「労働基準法を遵守する真っ当な会社を作りたい」ぐらいの夢や希望を大見得切って提示してくれたらこっちもまだ納得できるのであるが、なぜか今までただの一度もそのような夢や希望を私に語ってくれた人はいないのである。 夢や希望を持ち、それを語ることをポジティビティの証しのように思ってる人は巷にそれこそ腐るほどいるのに、ジョンレノン程度の世界平和を夢や希望として語ってくれる人はまずお目にかからない。 がっかりである。 だから、人から夢や希望を聞かされた後にいつも聞かなきゃよかったと、そう思うのである。 翻って島を見てみよ。夢だ希望だなんて安直でゆるゆるで視野狭窄的なことを言う奴はほとんどいない。ほとんどいないが皆無ではない。若造は夢や希望を語ることを100%全面的に肯定した学校教育を受けている現状であるからやっぱり若年者は夢を語り東京だ大阪だのの学校に言って夢の実現に一歩踏み出したつもりにもなる。 しかし島の先輩方は大したもんだ。夢なんて眠ってみる夢だってろくに語らない。先輩がたの頭の大半を占めているのは手を掛けてるキビ畑のことだったり、釣ってきた魚を誰と誰に配るのかだったり、今年の豊年祭の企画立案準備などの各段取りや所属する野球チームが当たる対戦相手の戦力分析なのである。 はっきり言おう。夢は人を駄目にする。 夢だ希望だと耳障りのいい言葉で自己満足に浸りきっている輩に真っ当な大人はいない。自己満足に浸るのは勝手だが、それを夢だ希望だと大見得切られるのは他人の迷惑だ。若者よ。今こそ夢を捨て、自分の足をじっと見つめ、それから顔を上げて目の前の仕事をきっちりこなそう。浮かれず騒がず腐らずただ淡々と生く。それが島の諸先輩が実践する人としての生き方・考え方ってもんだ。 浮かれ浮ついた世の中にどんどんなって行くのでここらでちょっと耳障りの悪いネタを挟んでおいた次第。

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