基地問題にまつわるデジャブー
普天間の基地移設であれこれもめていて、何をもめているかは皆さんのほうがよくご存知だろうから一々ここには書かないが、なんだか腹が立って仕方ないのは『沖縄から基地がなくなったら地元は経済的に雇用的に立ち行かなくなるんじゃないの~それって困るんじゃないの~痛し痒しだよね~』みたいな意見をしたり顔で述べる人たちだ。その多くは言うまでもなく本土の方々だ。沖縄に住んでいるか本土に暮らしているかはともかく本土の人間がそのような高みからものを言う裏腹には間違いなく差別根性が働いている。ここ数年何かと注目が集まる沖縄だから沖縄差別が薄まったのは確かだろうけど、米軍基地を抱えていない他府県の人間が『米軍基地と沖縄経済』について論じるのは完全に余計なお節介だろうし、余計なお節介を焼くのなら最後(問題の解決)まで面倒を見るべきで、そんな覚悟の一つもないくせに海の向こうからネット越しにしたり顔をされるのは実に腹立たしいのである。右も左も平和ボケらしく、自衛隊にせよ米軍にせよ大きな軍事施設があることの意味を理解していないようだ。闘う意思があるのでなければ基地など置くべきではない。なぜなら仮想敵国から見れば敵軍の兵士が出撃してくる基地が置いてある土地とはつまり自分たちと闘う意思を持った者たちであると見做されて然るべきであるからだ。有事が起こり、領土境界あたりで一戦交えるのは軍隊だが、軍隊はやばくなれば撤退すればいいだけだ。前線を下げるなり、基地を放棄するなり本国へ戻るなりして軍を立て直すのだろうが、基地がある沖縄はどこにも逃げられない。米軍や自衛隊が退いたあとに攻めかかるであろう仮想敵国の軍隊からに蹂躙されるがままなのか。沖縄にはそのようなデジャブがあるからこそ65年前から生きてきた爺さん婆さんは今も本土の連中が好き勝手やろうとしてる基地問題に訝るし怒るし憤るのである。銃口のひとつも向けられたことの奴が基地移設で偉そうなことを言うべきではないだろう。基地経済がどうとか沖縄の雇用がどうとか偉そうな意見を述べる本土の方々はほぼ間違いなく沖縄差別をその心のうちに縫い込んでいる方々である。