梨華圭総合大学一般教養講座 地球科学概論いわゆる地球というのは太陽系の内側から3番目の惑星なのであるが生物の生存条件を満たしている天体は いまのところ見つかっていない 宇宙は広いから地球のような星は他にもありそうだが 実際には存在しない 要するに地球のスペアはないのである。 よく言われるように地球は宇宙船のようなものである、 汚れたり壊れたりしたら戻すことはできない。 地球環境の保護がさかんに叫ばれるのはそのためだ 地球温暖化 だいぶ前からいわれるようになったんだけど 局地的な気象のかたよりと混同してる人があまりにも多い。 これは地球全体の問題で かつ 極めて長いスケールの話なので注意してほしい 地球の大気の大部分は 単体の窒素と酸素で どちらも2原子分子だから 可視光線のみならず赤外線に対しても透明でエネルギーを吸収しない しかし水と二酸化炭素は3原子分子だから 太陽からの可視光線は透過するけど 赤外線は吸収して分子の運動すなわち熱に変える。 いわば温室のガラスのような役割を果たすので これを 温室効果という。 水は基本的に常温では液体であり蒸気圧以上に増えることはないが 二酸化炭素に関しては 植物の光合成により消費される量と 動物の呼吸により排出される量とが これまでバランスを保ってきた。 しかし近年化石燃料の大量消費と熱帯雨林の減少によって バランスが崩れてきたために 二酸化炭素の濃度がごくわずかながら増加の傾向にある しかしこのことを原発推進の理由に使うことは絶対に許されることではない 原発は温暖化などとは比べ物にならないほど危険度が高いのだ オゾン層破壊 このことも温暖化と混同している人が多いが 全く違うメカニズムによっておこるので注意してほしい。 20世紀の後半になって フロンとよばれるフッ素と塩素と炭素の化合物が使われるようになったわけだが、 これらの化合物はきわめて安定で不燃性で毒性もないため いろんな所で使われるようになった。 しかし、安定であるためにいつまでもこわれず、いつまでも残り その一部が成層圏に達してオゾン層を破壊しはじめた。 塩素原子は光によって励起されやすく、 成層圏では紫外線によってフロンが分解して塩素原子(ラジカル)を生成する。 こうしてできたラジカルは反応性が大きく 1個の塩素原子は1万個以上のオゾン分子を破壊するといわれている。 オゾン層は宇宙からの紫外線が地表に達しないようにバリアの役目を果たしているので オゾン層が破壊されてなくなることは地球上の生物にとって深刻な危機になり 生態系に大きな変化をもたらす 大気汚染と酸性雨 硫黄を含む物質は燃焼すると二酸化硫黄を生じ、 空気中でさらに酸化されて硫酸となる。 また空気中の窒素はふつう酸化されないが ディーゼルエンジンのような高温高圧の場所では 酸化されて窒素酸化物となり、空気中でさらに酸化されて硝酸となる こうしてできた硫酸や硝酸が雨となって降るのが酸性雨で pHが5.6より小さい雨を酸性雨と呼んでいる ダイオキシン マスコミでダイオキシンとよんでいるのは 2,3,7,8-テトラクロロジベンゾダイオキシン および 類似の化学構造をもつ有機塩素系化合物の総称で 場合によっては やや構造の異なるコプラナーPCBなどを含めてダイオキシン類と称することもある 2,3,7,8-・・・・・は人類がつくりだした化合物のなかでは 最強の毒性をもつといわれる (天然物にはこれより数千倍の毒性をもつものもある) 塩素化合物である以上塩素を含んだものを燃やさなければいいわけだが・・・・・・ 水質汚染と赤潮 工場排水、家庭排水、農業廃水などに含まれる有機物やリンなどによって 河川、湖沼や海の水が富栄養化するとプランクトンが大繁殖し 酸欠によって魚が大量死することがある また 工場や鉱山がらの重金属イオンも 水俣病やイタイイタイ病の原因になったことがある 水の汚染は土壌の汚染もひきおこすし 生物濃縮によって思わぬ被害をもたらす 環境ホルモン 正確には 外因性内分泌攪乱物質 といって ホルモンに類似の作用をして生物本来の 内分泌を乱す化学物質 ということになる 極めて少量(10億分の1以下の濃度)で作用するし ある濃度で作用が出なくても それより薄い濃度で影響が出ることもあるため 安全性が保証されない ジャンル別一覧
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