冠詞シリーズ その①皆様、お早う御座います。 今日からの講義は、大変重要な内容になります。 英語のA / THE に関する内容です。 A / THE は、冠詞と呼ばれているものです。 日本語には無い考え方ですので、この冠詞は、 日本人には難しいものですね。 課題を出しておりました。 That is a sun.は、正しい文です。 あれは太陽です、と言う意味でなくて あれは恒星です、と言う意味です。 何故こうなるのかは、数回後の講義で ご紹介します。 モノの数と言う点から、 今日は、日本語と英語の相違点をお話しします。 皆様が英語を話す際、又は、私の様な通訳・翻訳者を 使って、外国人と話しをされる時に、特にご注意願いたいのは モノの数をハッキリさせる、と言う事です。 例えば、『明日、サンプルをお送りします』と言う場合ですが、 サンプルは、1個なのか、2個なのか、日本語では、 あまり、はっきりとは言わない場合がありますが、英語では ハッキリと数を言います。 英語の文の組み立ては、極めて論理的に出来ており、 細かい部分までも相手に分かり易い様に 出来ている構造です。または、そういう考え方で 外国人は話していきます。 一方日本語文化は、違います (ただし、日本語が論理的な構造になっていない、と言う事でなく 話し手の意識の問題です。論理的な日本語を話そうとすれば話せます) 松尾芭蕉翁の俳句『古池や、かわず、飛び込む水の音』を 外国人が訳しますと、 この事が判ります。 この俳句は、今まで何人もの外国人が訳してますが、 この俳句には、明確に、蛙の数を書いてませんので、 a frog(かわず1匹)と訳した人もいますし、 some frogs(数匹)とした人も居ますし、 frogs(たくさん)とした人も居ます。 frogs がいっせいに、an old pondに 飛び込んだら、『ぼちゃん』と音がして 静寂が破れますね。 日本語文化の感覚では、この、『かわず』は、 1匹であり、故に、静寂さを醸し出しております。 1匹と書かなくても、情緒、情景(=以心伝心)から、 1匹とわかります。 言わなくてもわかるものは、敢えて言わずに、言外に含むのが、 日本語の独特の特長です。ですので、モノの数は、 あまり、明確にさせない場合が多々あります。 対して、英語では、とにかく相手に分かり易い様に モノを一々述べますので、数をハッキリさせます。 例えば、ペットの話しになり、 『家は、猫を飼ってます』と言う場合、 日本語は、この言い方で良いですが これを英語にするときは、 猫が1匹か、複数かをハッキリさせます。 1匹なら I have a cat.ですし、 2匹なら I have two cats.ですし、 犬1匹と猫2匹でしたら、I have a dog and two cats.となります 冠詞の出発点として、(英語では、モノの数をハッキリさせる)事が その背景にあります。これをご理解下さい。 また、皆様が、英語を話すとき、書くとき、更には、 通訳翻訳者を通して、外国と交流する際は、 モノの数をハッキリさせて言いましょう。 私は、通訳翻訳業務で、お客さんが、モノの数を 明確に言わないので、困る場合が多々あり こうしたことを申し上げております。 特にビジネスでは、モノの数を明確にする事は 極めて重要な事ですので。 ご質問は、何なりとされて下さいませ。 末次通訳事務所 末次賢治 拝 |