「論理的思考」 と 「英語式日本語」末次通訳事務所 通信講座、及び、英語教室、受講、他の皆様 皆様には、いつも大変お世話になっております。 本日は、時間が少しありますので、下記の件にて 講義をさせて頂きます。 講義テーマ:英語式日本語 1)ご参考までに まず、私が、現在、直接の授業、或いは、 電子メールやファクスを使いました通信講座で お教えさせていただいている方は、20名ほど、 いらっしゃいます。その中には、英語の初心者の方から、 学校の先生、更には 私と同じ、通翻訳者の方まで、 幅広くいらっしゃいます。 今後、通翻訳者になりたいと志望されている方も多数おられます。 2)通翻訳者になるには、 アポロ11号が月面着陸した際に、日本での、この中継を同時通訳なされた 西山 千 という通訳の方が下記の通り、おっしゃっておられます。 『通訳というのは、簡単です。自分が、何かのテーマについて、 日本語で、10分 スピーチします。そして、その後に、 同じ内容を、10分英語でスピーチ出来れば良い。 それが出来れば、プロ通訳としてやっていけます。』 3)英語力向上の道しるべ 英語の力を高める方法としては、次の2つの事しかありません。 ー1 通訳者になるための勉強をする ー2 上級英語ディベーターになる勉強をする。 このどちらかの方法を使って英語を練習したら、 英語検定1級はもとより、おのずと大変高いレベルに 到達できます。この事に関しては、別途講義します。 4)論理的日本語に関して(前書き) 今の段階で、言える事は、このどちらの方法も、母国語である日本語の 力が無いと、出来ない事です。詳しく言えば、論理的日本語力です。 さて、前回の『英語のメッセージを掴む』という事は、 100%ご理解頂けましたでしょうか? ご質問はどんどん、何でもされて下さい。 5) 受講者の方からのご質問 複数の受講者の方からのメールに、 『英語学習には、日本語も大切なんでしょうね』という ご意見がありました。今回の講義は、論理的日本語についてです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日本語は、英語の勉強に関係ないと思われがちです。 しかし、社会人(17-18才以上)の場合は、全然違います。 AA) 日本語の組み替え 確かに、『日本語をそのまま英語にしても、全然通じません』 これは、前から私が言っていることですね。 しかし、普通の日本語でなく、論理的な日本語をそのまま 英語にすると、英語は通じます。論理的というのが、ミソです。 論理日本語の力は、英語力の向上に必要です。 英語は、文化的な背景から、論理的に、組まれている言葉です。 例えば:英語では ー1 語順も安定している。語順が決まっているので、 だれが/ ~する、した、/ ~の目的で/ いつ という事が 文章の中に、明記されます。→聞き手に分かり易い ー2 結論、言いたい事を先にいう。例えば、 寿司は好きですか? Do you like sushi ? はい、好きです。 Yes, I do. 中学校で習う内容ですが、このやりとり、受け答えの Yes, I do. というのは、無駄な物がない、スパッした言い方ですね。 『好きかどうか』聞かれて、単刀直入にyes(好き)と言う事に、 明快さがあります。 しかし、日本語はそうでありません。 大変に曖昧で、誰が、どうした、と言う事すら分からない場合があります。 尚、これは、日本語の問題でなく、話し手の話し方の問題ですが。 英語は、言いたい内容に、理路整然とした面があります。 日本語には、そこまでの理路整然性がありません。 だから、日本語を、論理的に組み立てれば良いのです。 そして、論理的に組み立てた日本語をそのまま英語に直せば良いのです。 ですから、発想を、論理的な発想に変換すれば良いのです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 生まれてすぐ、或いは、幼少や若いときに、海外に留学して 英語漬けの生活をおくるなら、英語は、すぐに、高いレベルまで 達するでしょう。しかし、私も含めて、日本で英語を勉強しております。 英語の勉強方法には、色々な説や方法があります。 が、最も有効な方法としては、日本語と英語を対照させて メッセージの表現方法の違いを把握し、 同じ内容を、日本語らしく言う練習、 英語らしく言う練習をする事が、挙げられます。 私も、主に通信講座の方には、中学英語教科書を用いて これをしております。 ★★★言いたい内容を英語らしく言うというのは、 論理的に言うと言う事です。 もちろん、英語だらけの環境を作る事は必要ですが、 日本語を逆に利用して、英語の力を高める勉強方法が、 社会人には、合っております。 日本語の力というのは: 日本語で、相手の言っていること、文書に書かれている事が きちんと理解でき、それに応答出来る力、そして、 日本語でも、自分の意見を、口頭で、或いは、文書にて 論理的に言える力がないと、英語は伸びません。 便宜上、日本語の力と言ってますが、 実際は、日本語という母国語を通して、 言いたい内容を理解把握し、また、 言いたいことを相手に伝える力、をここでは、日本語の力と言っております。 要するに、母国語での、言葉を操る力とも言えます。 私たちが、英語に限らず、他の外国語を練習する場合でも、或いは 外国人が他の外国語を練習する場合にも、母国語の力がないと 高いレベルの外国語運用力が身に付きません。この事は、真理であると 思います。どうぞ、皆さん、これを自覚されて下さいませ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 6)論理的(英語式)日本語 論理的に日本語を言う、書く事は、意外と難しいですね。 私は、10数年もの間『論理的日本語』の訓練を、 自分で行ってきましたので、 大変大きな、強い武器になっております。 翻訳通訳の作業の時に、 本当に大きな力になっております。 さて、論理的に日本語を書いたり、言う練習をしましょう。 まず、論理的というのは、読み手、聞き手に 分かり易い言い方、理解されやすい言い方と言う事です。 この様な言い方をするには、次の点を上げます。 ー1 言いたいことから言う。くどくどと言わない。 (核心から言う:回りから言わない) ☆ (普通日本語) 私は、建築家として世界的に有名な田中先生が設計した、 教会で結婚式を挙げました。 →日本人の多くは、この様な話し方の人が多いですね。 ★ (論理的日本語) 私は、最近、結婚しました。 式場は、教会です。建築家の田中さんが 設計された教会です。 田中さんは、世界的に有名な建築家です。 この様に、言いたいことから、先に、言います。この例の場合ですが、 結婚式を挙げた、という事から言います。 そして、この論理的日本語をそのまま英語にしたら良いのです。 以下の事例は、全部そうです。 別の例: ☆(普通日本語) その件に関してましては、こちらでも色々と検討しました。 弊社としては、積極的に、お話を前向きに、進めたいのですが、 折からの不況で、決断出来ませんでた。 ★(論理的日本語) その件は、出来ません。不景気による市場の低迷で 期待が持てないからです。 はっきりと、結論を言います。英語では、 ハッキリ言った方が丁寧になりますので、遠慮は無用ですね。 ー2 誰が、何をしたのか、いつ、どこで、などを全てハッキリ言う。 ☆(普通日本語) 明日、会議です。→これは、大変不明瞭ですね。 当事者同士でも、わかないほど、不明瞭な言い方を 普通の日本語ではする場合があります。 ★(論理的日本語) 明日、営業2課は、13時から、第1会議室にて、営業会議をします。 単に、「明日、会議です」でなくて、普段から、情報をきっちり、 言う言い方を習慣づければ、 自ずと、理路整然とした英語が言えます。 ー3 言わなくて良い事は、言わない。 ☆(日本語) 「蝉の声を聞く、初夏の季節となりましたが」 ★(論理的日本語)原則としては、日本語独特の時候の挨拶は、 論理的にみてみると、内容に関連がありませんので言いません。 要件のみを言います。 ー4 話題に関係の無いことは、言わない。 ☆(普通日本語) 「部下の田中君は、約束を守る男で、信頼できます。 このプロジェクトに必要なスタッフです おくさんも美人だし」 ★(論理的日本語) 日本語は、とかく、中心話題に関係のない事を 言う傾向にあります。 関係の無い話題は、言わない事で、話しをすっきり、明瞭にさせます。 奥さんも美人という部分は、省いて良いですね。 ー5 ひとつの文(スピーチ)には、1つの情報: ☆(普通日本語) 来週開催される、武道館の柔道の試合に出るために、 明日上京します。 →この日本語には、1つの文の中に、3つの情報が入っております。 1文に沢山情報が入っているのは、聞き手には、 分かりにくくなりますので、1文を、区切ります。 ★(論理的日本語) 明日上京します。 来週の柔道の試合に出場するんです。 試合は、武道館であります。 *尚、よく見かけるのですが、 日本語が1文だからといって、翻訳する場合、 英語も1文にされる方がいらっしゃいますが、 これは、間違いです。情報毎に、一々、区切って良いのです。 分かり易い様にすればいいのですから。 ー6 言いたいことを、一本の線でつなげる。 【例えば、提案をする場合】 ☆(普通日本語) 「私は、列車輸送を利用すべきと思います。」 とだけ言っては、無責任な言い方です。 ★(論理的日本語) ☆結論部 私は、列車輸送を利用すべきと思います。 車の方が、渋滞がないので、納期に間に合います。 ☆提案内容に対する結果又は、理由 コストもトラック輸送よりは、2割安いのです。 上記の様に、例えば、提案する場合など、意見内容(提案内容)の理由、 提案内容を行った場合の予想される結果などを、 はっきりと述べる事で、論理性が出てきます。 論理性というのは、「ああ、なるほど」と思える根拠(話しの筋道)です。 常日頃から、後者の様に意見を言う癖がありましたら、英語での発言内容も 信頼性が増します。更には、英語は、後者の様に言うことが殆どですので、 逆に、英語を読んだり、聞いたりする場合は、相手の論(意見)の 展開について、先を予測でき、それだけ、理解が易しくなります。 ー6 言いたいことが沢山あるときは、箇条書きみたいにして言う。 (例) 「貴社製品の、カタログ、価格表、仕様書、取扱説明書などを お送り下さい。そして、写真もお送り下さい」 などと言うとき、 ★貴社製品に関して、下記の5点をお送り下さい。 ー1 製品カタログ ー2 価格表 ー3 仕様書 ー4 取扱説明書 ー5 写真 という様に論理的に加工すれば、明確で 短い文章になります。 上記に述べた6つの点が、論理的に意見を言うコツです。 言いたいことがあります→これを、論理的に加工します→ それを英語で言えば→通じる英語です 7) 英語式日本語(論理的日本語)の練習方法 私は、新聞や雑誌に、時事問題などに関して、読者の欄に 投稿しておりました。 10数年続いております。 英語で意見を書く様にして、日本語で論を展開しました。 その際は、次の様な展開で書いてました。 ー1 問題(話題)に対する 結論・提案 (私は、こう思う) ー2 結論を支える複数の意見 (2つの理由がある:経済面、環境面) ー3 結論となる事を推進した場合のメリット (私の考えを実行すれば~のメリット大) (又は、現状の問題点) ー4 再度、別の形にて結論を言う (だから、~を行うべき) これは、英語での論の述べ方そのものです。 新聞雑誌のへの投稿は、字数制限があります。 字数制限のある中、これを最低でも、週1回のペースで 半年以上続けると次のメリットが出ます。 ー1 論理的思考力が増す→分かり易い日本語、分かり易い英語が発信できる ー2 その結果、英作文(日→英語翻訳)が上手くなる ー3 外国人と話していても、内容が理解される様になる ー4 言葉の字面でなく、意味内容に応じた英語が言える →メッセージが掴める ー5 外国人と、有意義な、知的な、充実した意志疎通が出来る ー6 色々な社会事件、現象の本質が見えてくる ー7 字数に応じた長さの意見が自在に出せる ー8 日本語の力が強くなる ー9 物事の推測が早く、的確になる →全部、読まなくても、10%の部分で全体が見える ー10 見えないこと、行間がハッキリ見える ー11 自己のアイデンティティーが確立する ー12 ー11の結果、国際人としての立場が確立する ー13 原稿料(新聞で、1000円から5000円 雑誌で5000円から1万円) ー14 ディべートが出来る 上記は、英語の向上に必要な要件です。 受講者の皆さんにお勧めしますが、 もし、ご興味あれば、私が行ったのと同じ方法で 或いは、新聞社に出さずとも、原稿の書き溜めでも 構いませんが、原稿用紙1枚に、 色々なことを、【結論→複数の理由→今後の策、結論の予測メリットなど→再 結論】という 書式で、毎日、1本づつでも書かれてください。 半年後には、日本語・英語ともに、この事が大きな力になっていることに 気付かれます。 以上、講義をさせて頂きました、有り難う御座います。 ご質問などありましたら、何なりと御連絡下さいませ。 ジャンル別一覧
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