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カテゴリ:会社の税金
最近、税務署OBから独立したコンサルタントのセミナーに何回か参加いたしまして、税務調査についてのウラ話を聞く機会がございました
今回はご多忙な経営者皆様のために、かいつまんで要点を解説させていただきます。 ・税務調査にはタイムリミットがあるなんか凄い話ですが調査には期限があるようです。税務署には事務年度という独特の期間がありまして7月1日に異動が発表されるため、税務署職員が調査事務を担当する年度は7/1~6/30となっているようです したがいまして、異動の前(だいたい6月の第二週くらい)とその半期(だいたい12月の第二週くらい)までにクロージングしないと税務署内でいろいろ処理が大変になるようで、この時期ちかくになるとむこうから譲歩をひきだせることが多い?ようです。 ・基本は人手不足による絨毯爆撃戦術講師の方によると、調査官のレベルは簿記2級レベル?というお話でした。これは調査官が勉強してないわけではなく、法令の解釈・適用については審査という別の部門に回すためらしいです。調査もある程度業種別にマニュアル化されているので、講師の方によると「誰でもできる」ようになっているようです。 したがいまして法律にてらすと理不尽な指摘も多いらしく「まず疑ってかかったほうがいい」といわれました。 税務署としては、可能な限り多く指摘をして混乱をさせいくつか譲歩しつつも、そのうち何割かをのませるというのが税務調査の最近のトレンドのようです。 中でもおおいのが、続にいう「期ズレ」いわゆる今年の売上を翌年にしてしまったりとか、本来仕掛とすべきものを経費に落としてしまったりという指摘のようです。ただ期ズレは正直どこの会社でも悪意なくても生じるものなので、このへんは会計処理の継続性なりでスジを通すべきでしょうとは言ってました。 この背景としては財政不足により公務員採用自体を絞っているらしく、1件あたりの平均調査日数は従来の半分の2日程度に絞られているとのこと。このため調査の効率をよくするためやむをえずこのような絨毯爆撃戦術がとられているようです。 ・更正はこわくない?よく税務調査がおわると「ではこれで修正申告おねがいします」というシメが調査官から行われます。これを修正申告の慫慂(「しょうよう」これ日本語か?)といいます。 納得できないので修正申告しませんというと「じゃあ更正しますよ」といいます。よく「更正」というと怖がるひとがいますが、べつに納税者が怖がる必要はございません。 ホンネをいうと調査官のほうが「更正」嫌いなようです。 なぜなら修正申告なら上司への報告で終わりますが、更正処分(いちおう行政処分の一種)となると署長決裁になります。しかも文書で理由を書かなければならないので、過去の判例・審判事例・法解釈など総動員でひっぱりださないといけない(しかも不服審判所でひっくり返されると出世の汚点になる)ので、あまりやりたがらないようです。 で「更正のほうが不利になる」とよく業界的に言われておりますが、行政手続法の規定により納税者が修正申告を拒否したからといって更正で不利益な処分をすると税務署のほうがいろいろ大変なことになるようです。 私もある調査のとき税務署のいうことがコロコロかわるので、若干キレて「じゃあ更正で文書に起こしてもらえますか?」といったら、あっさり通った経験がございます ・質問検査権の拡大解釈に注意税務調査は質問検査権を根拠に行われるものです。ただ質問検査権といっても万能の権限ではありません。 プライバシーに関する事柄は刑事訴訟法などでも手続が制度上いろいろ捜査が制限されています。刑事手続でない税務調査でも同じように本来の徴税目的の範囲を逸脱した調査は、禁止されることになります。 したがいまして「手帳を提出してください」「履歴書をみせてください」「パソコンを預かります」「一筆いれてください」など、実際の現場(とくに年とった調査官)ではよくある光景ですが、本当は許されない指示のようです。 これらを拒否すると「なにかやましいところがあるんじゃないか?」と思われると疑心暗鬼になるかもしれませんが、そもそも認められていない権限なのでキッチリ理由説明して拒否したほうがいいとおもいます。 わたしも調査のときは、ファイルから抜き出して必要な書類だけ担当官に提出するようにしております。 ・重加算税に注意!税務職員の成績というのは、増差(課税所得の増えた額)と重加算税の件数で決まります。このため、調査官はやたら重加算税をうちたがります。(大体調査全体の20%くらい重加算税対象) で実際、追徴税額がほとんどないのに重加算税をチョットはらうという妥協が調査の現場でとられることがあります。しかしコレおおまちがい 重加算税は「仮装または隠蔽」がある場合に課される罰金の一種みたいなもので、税務署内のブラックリストにのります。このあとほぼ3年おきに税務調査がやってくるという悪循環にハマります。こわいですね~ 重加算税の指摘があったら「仮装または隠蔽」にあたるかどうかを、過去の事例からひっぱりだしてやりあったほうがいいですね。 まあ、私なりの結論としては 調査官といえども神ではないので、まずは疑ってかかりましょう。 ある程度の知識をつければ、過剰反応する必要もない。 といった昔からの教訓に落ち着くようでした。 では! 新規会社設立|税務会計顧問業務|相続税(申告・対策)| 社会福祉法人会計(新会計基準対応)|マンション管理組合| 医療法人会計|学校法人会計|宗教法人会計|NPO法人会計 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年06月26日 20時30分35秒
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