山本球の『球音日記』

センバツの選手名鑑も出そろって、どんな選手が出場するのかが見えてきた。
そこで、僕が注目したい選手をポジション別に紹介していこう！
まずは、投手部門から！
〈投手〉
上田大貴投手（八幡商業）右・右

「僕は、今大会一番注目している投手は誰ですか？」と聞かれたらすぐに、この投手の名前を挙げる。
数いる好投手の中で「何故、上田投手なの？」とすぐに聞き返されると思うが、僕は昨年のセンバツから、彼の素質に注目していたからだ。
確かに、派手さはない。しかし、２年生なのに堂々としたマウンドさばきを見せていた。
敗れはしたが、「この投手面白いなぁ」と思い、成長したこの投手を見てみたいなぁとも思っていたのだ。
雑誌だけの情報だから何とも言えないが、コントロールに磨きがかかったとのこと。一回り成長した“八商のエース”に注目だ！
続いて、捕手。

〈捕手〉
兼屋辰吾捕手（沖縄尚学）右・右

足を使う野球がどんどんクローズアップされる昨今。しかし、どうも“足”が使える選手はクローズアップされない傾向にあると思う。高校野球にしても、派手な本塁打打者や剛球投手が注目の的となるのが一般的。
だからこそ、僕はこういう選手を紹介したいと思う。
１００メートル１１秒７という俊足。と、聞くとどうしてもセンターかショートを守っている選手だと思われるかもしれないが、この兼屋選手はキャッチャーだ。
しかし、兼屋選手ただ、足の速い選手ではなくその俊足を思う存分使える選手でもある。こういう選手が一人いると実に様々なバリエーションの戦略を組むことができる！
沖縄尚学の二番には各校要警戒だ！

一塁手は昨日書いた通り、森俊介選手（高松）右・右
古豪を支える、１６５センチの小さな巨人だ！

〈二塁手〉
山野光輝選手（宇部商業）右・右

中国チャンピオンの宇部商業。しかし、中国大会の結果を見ると決して楽な戦いで勝ち上がってきたわけではなく、むしろ、苦戦苦戦の連続だった。
その一つの要因として、きっとこの山野選手の不振ではないだろうか？
．２６５。これが、彼の中国大会の打率だ。名門高校のトップバッターを務めるにしては大いに不満の残る結果だ。
しかし、結果を残せなくともトップを外されなかった。この事は、彼の能力の高さを象徴していると思う。
よく見ると、チームトップの１３個の四死球で出塁している。また、打率が２割の後半であるにもかかわらず三振はわずか９。選球眼と粘っこい相手投手が嫌がる打撃が持ち味なんだろうなぁという印象が記録を見ただけでも分かる。
更に、塁に出してしまうと積極的に次の塁を狙ってくるはずだ。
ミラクル宇部商の浮沈は彼の復活に懸かっている。

（三塁手）
五十嵐大（駒大苫小牧）右・左

僕は、去年の全国制覇の影の主役だと思っている。
九番打者として、全国制覇のレギュラーを務めていた五十嵐選手。目立ちはしなかっただろうが、非常にいい選手だ。
何がいいかと言えば、抜群のミートセンス。ミート力は、林選手を上回るモノがあると僕は見ている。
そのミートセンスを活かして、相手投手に何球でも投げさせる。思い出して欲しい。昨夏の決勝戦。済美・福井投手の投球に１２球食らいつき出塁。その後、起こる、奇跡の勝ち越し劇の口火を切ったのが五十嵐選手だ。
バントも上手い駒苫最高の“つなぎ役”失策ゼロの堅実な守備にも注目だ！

〈遊撃手〉
川端慎吾選手（市和歌山商）右・左

文句なしに見たい選手。どの雑誌を見ても大絶賛の嵐だからだ。打率は、四割をゆうに超え本塁打も５本放っている。更には、四死球を公式戦だけで１１個選んでいる。三振も少ない。少し、本塁打が打てる選手よりもこういうタイプの選手がプロへ行った時重宝されると思う。『マネーボール』のビリー・ビーンＧＭ好みの好打者だ！打撃だけではなく、守備、走塁も注目したいと思う！

〈外野手〉
眞井翔太選手（天理）左・左

僕は、この選手を天才だと思っている。誰が何と言おうと、彼は、天才だと・・・。
初めて見たのは、彼が一年生の時。いきなり、名門・天理の三番に据えられていたこの選手に僕は目を奪われた。
何とも言えないが、打席に入った時の雰囲気が他のどの高学年選手と比べてもどこか違うオーラが漂っていた。
バットを一閃すれば、美しいスイング。長距離砲というタイプではないが、安打製造器としての可能性を強く感じさせてくれた。
しかし、学年が進んだ去年の夏の甲子園。眞井選手のオーラが少し薄らいだような気がした。去年とあまり成長していない・・・。そんな印象を受けた。少しガックリしたが、今年も彼を甲子園で見ることが出来る。
冬を乗り越えてどこまで成長しているか？注目したい。
何度だって言おう。僕は彼を、天才だと思っている。

本間篤史選手（駒大苫小牧）右・右

とりあえず、この選手は全国の高校野球ファンに見てもらいたい！モノが違いますから！
特に、守備が素晴らしい。大柄で、少し動きが鈍そうな体型をしているにもかかわらず、センターでの動きは他を圧倒するモノがある。打球への判断、一歩目の早さ、柔らかいグラブさばき、強肩・・・。全てにおいて一つ抜けている！打球が飛ばないと見ることは出来ないが、“駒苫のＳＨＩＮＮＪＹＯ”と呼んでもいい程の好守備だ！
守備だけではなく、打撃も力強く神宮大会では、一試合二本塁打を記録！まだ二年生だが、早くも来年のドラフトが楽しみな好素材だ！本当に注目して下さい！

天王寺谷亮選手（神村学園）右・左

今大会出場選手中、一番多く本塁打をかっ飛ばしているのがこの天王寺谷選手だ！
今大会ナンバーワン投手の呼び声高い柳ヶ浦・山口投手から、九州大会で本塁打を放ったスラッガー。
ここ数年、注目のスラッガーが甲子園で活躍したのは、鵜久森選手（済美→日本ハム）くらいだろう。特に、左打者の長距離砲は、自分の力を発揮できずに姿を消すケースが多いと思う。だからこそ、この天王寺谷選手には是非、活躍して欲しいと思う。
血液型ＡＢの天才型。当たり出したらとまらなくなるはずだ！


と、こんな感じかな？一応、これらの選手でオーダーを組むとしたらこんな感じかな？

一番　遊撃　川端選手（市和歌山商）
二番　捕手　兼屋捕手（沖縄尚学）
三番　左翼　眞井選手（天理）
四番　右翼　天王寺谷選手（神村学園）
五番　中堅　本間選手（駒大苫小牧）
六番　一塁　森選手（高松）
七番　二塁　山野選手（宇部商業）
八番　投手　上田投手（八幡商業）
九番　三塁　五十嵐選手（駒大苫小牧）

なかなかのオーダーだと思う！皆さんも、自分なりにセンバツ大会を楽しみましょう！