トルコの思い出~飛行機~
最近空を見上げることが多くなった。見上げるとかなりの確率で飛行機を目にする。飛行機は大好きなんだけど、見るとなぜか寂しい気持ちになる。そう言えばこんなことがトルコでもあったっけ・・・・・トルコに移り住んだとき、娘は4歳で幼稚園に通っていたけれど、生後3か月の息子は24時間私と一緒だった。日本にいたって行き詰まる子育て。言葉もよく分からない、タクシーを呼ばないとどこにも行けない環境。当時の私のストレス解消の一つは、「散歩」だった。中心地から車で20分ぐらいの小高い山の中腹に、私達は住んでいた。そこには約50戸の家が建ち、その敷地に入る入口には24時間、警備のトルコ人がいた。私達が徒歩で自由に移動できたのはその敷地内だけ。もちろん、敷地外にも自由に行けるんだけど、歩いて行ける所に店はないし、第一ベビーカーを押して歩けるような道路状況ではなかった。(歩道はないし、道はガタガタ・・・)なので、敷地内にある公園に散歩に出かけるのが毎日の日課になっていた。生後3カ月じゃ、歩かないし、ハイハイもしない。寝ていることのほうが多いくらいの時期だ。公園に行ったって遊ぶわけでもない。抱っこしたままブランコに乗ってボーっと空を見上げていた。雲ひとつない高い空。その空に見える小さな小さな飛行機。高い所を飛んでいるから、飛行機の音すら聞こえない。一日何回、その小さな飛行機を目にしただろう。そして見るたびにこう思っていた。「あの飛行機に乗って日本に帰りたい・・・・・」その小さな小さな飛行機が見えなくなるまで見つめ続けた。涙が後から後から溢れてきた。公園に散歩に行って、ブランコに乗って飛行機を見上げ泣く。毎日その繰り返しだった。飛行機を見上げると、さみしい気持ちになるのはそのせいだろう。当時のことが昨日のことのように思い出されるのだ。トルコに引越して1年が経った頃には空を見上げることも少なくなったけど、だけどやっぱり疲れたり、嫌なことがあったりすると空を見上げてた様な気がする。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・最近空を見上げるのも、自分では気づいていない、なにか理由があるのかな。