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2007.02.19
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カテゴリ:その他
少し前にハードディスクの温度について書いているのですが、GIGAZINEに気になる記事が載っていました。

Googleによると、ハードディスクは温度や使用頻度に関係なく故障する(GIGAZINE)

とりあえず、Googleによる論文を読んでみたのですが、GIGAZINEの記事は、この論文の内容をよく理解していない人が書いているように思います。

Failure Trends in a Large Disk Drive Population(PDF)

温度に関しては昔から言われているほど、高温度でのエラー率の増加がなかったということですが、そもそも実運用でのデータなので偏りがあり、図4を見る限り、ほとんどのHDDが25~35℃の間で使われ、50℃を超えるようなHDDがほとんどないことから、統計的には誤差範囲が大きくなってしまい、有意なデータとは思えません。むしろ高温側より低温側で故障率が上がっていることに着目すべきですね。

異なる使用期間のHDDで比較している図5を見ると、最近のHDDでは低温での故障率が高くなっており、3年ものでは急に高温でエラー率が上がっているように見えますが、故障率について教科書に出てくる「バスタブ曲線」となんら変わらないように思います。低温でもエラー率が高いのは初期不良品と考えられ、1~2年目では初期不良品が除かれているため、低いエラー率になっているだけでしょう。

このグラフから、HDDは使用開始から1年間は「初期故障期」、1~2年目は「偶発故障期」、3年以降は「摩耗故障期ということがわかるだけで、3年目のHDDの故障率の高さは適切な保守が行われていないか、3年前にレベルの低い製品を大量採用した可能性が考えられます。

少なくともGoogleは「一定の温度範囲内では温度以上に故障率への影響が大きい要素がある」と書いているだけで、「ハードディスクは温度や使用頻度に関係なく故障する」とは書いていないと思うのですが。








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Last updated  2007.02.20 02:11:00
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よくあることですが   Tali さん
 noahさんの指摘通り、数値を一面的に読むだけで統計的な考察が全く出来ていない記事ですね。

 ネタ元の論文にしても、実稼働データをアンケートで集めるのではなく、メーカーが保有しているはずの耐久テストのデータを使うべきだったかと。母集団が偏りすぎ。

 統計に理解のない記事は、思い込みによる「とんでもない結論」を「客観的な数値で」示すことが多々ありますから、きちんと統計を学んでおくと惑わされずにすみますね。楽天がテナントに示す様々な統計値も、母集団や標準偏差が明示されないケースが多いです。^^;
(2007.02.20 02:51:54)

Re:よくあることですが(02/19)   noahnoahnoah さん
まあ、ちゃんとした試験に基づくデータでなくとも、ただの運用データも有用だとは思うのですが、生データを恣意的に加工されるのは問題ですよね。
(2007.02.20 03:07:03)


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