テーマ:エコキュート(13)
カテゴリ:家電
消費者安全調査委員会(消費者事故調)が、消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書(家庭用ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生したとの申出事案)を公表しましたが、結局のところ、エコキュートによる一般的な健康被害は証明できなかったようです。 新聞報道では、例によって誤解を招くような表現を使い、エコキュートによる健康被害が証明されたかのように書かれているものもありますが、まったくの逆です。 新聞記者が発表元の資料を読んでいないか、読んでも理解できなかった可能性があります。 経過報告書 平成25年10月18日 [PDF:207KB] 報告書 平成26年12月19日 [PDF:2.3MB] 勧告・意見 平成26年12月19日 [PDF:133KB] 結局のところ、被害を訴えている人がいる以上、人によっては健康を害する可能性があるかもしれないというだけで、むしろエコキュートではなく人の方に原因があると結論しているのと変わらないと思いました。 聴感調査の被験者のうち、なぜか発症者はすべて女性でした。 調査結果から、発症者は発症していいない人に比べ、エコキュートの音がわずかでも聞こえたらすぐに許容できないと判断するという傾向がわかりました。 (寝室許容値より聴覚閾値が低い=聞こえていないはずなのに判断できる人も多かったようです) 要するに、同じ音を聞いても気にする人としない人がいるというだけのようです(受忍限度の差?)。 同じ音でも不快な音と認識してしまった人は、音の大小に関係なく、ストレスがたまることは容易に想像できます。 健康被害を訴える人の症状は、ストレスに伴う症状のほか、加齢に伴う変化や更年期障害にも似ていると思いました。 勧告・意見は、健康被害が証明されていないのにもかかわらず、メーカーや役所などに対応を丸投げするような形に思えます。 なお、勧告・意見に書かれている「家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブック」は、かなり前から公開されており、エコキュートのメーカーWEBサイトからもリンクされています。 家庭用ヒートポンプ給湯機の据付けガイドブックについて 家庭用ヒートポンプ給湯機の 据付けガイドブック 報告書であまり詳細に書かれていないと思うことは、エコキュートの運転時間帯についてです。 エコキュートは23時から7時までの安い深夜電力を使って沸かしたお湯をタンクに貯め、その日の夜に使うというものなので、運転時間帯は主に7時までの早朝になります。 通常、音を出すヒートポンプユニットは未明(季節や地域にもよりますが3〜5時くらい)から動き出し、朝の7時より前に停止します。 運転時間は、ヒートポンプの効率がよくて沸かす湯も少なくていい暑い夏ほど短く、逆に寒い冬ほど長くなります。 冬ほど症状が重くなる傾向があるのは、運転時間が長いからでしょう。 聞き取り調査結果一覧を見ると、「不快などを感じる時間帯」が、エコキュートが運転していないはずの時間帯だったり、不自然な時間帯が多いのが気になりました。 23時から運転しているのは、よほどの寒冷地なのでしょうか? 深夜電力以外の時間帯に運転しているのは、特別な電気料金体系の地域なのでしょうか? なお、ヒートポンプユニットに内蔵されている圧縮機や熱交換器はエアコンの室外機とほぼ同じで、主な違いは冷媒の種類です。 したがって、エコキュートの音が気になる人はエアコンの音にも敏感になっているはずですので、夏の昼もつらいのではないかと思いました。 そのうち、「家庭用エアコンから生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生したとの申出事案」なども出てくるかもしれませんが。 ヒートポンプユニットの下にゴムシートを敷いたら震動が和らいだ事例や、家の外に出ると大丈夫という事例があることから、振動が地面を伝わって家の一部を共振させている可能性が考えられました。 その場合は、ゴムシートだけでなく、ヒートポンプユニットの脚と基台の間に、上下にボルトが付いた防振ゴムを挟むと効果的だと覆います。 (倉敷化工の両面ボルトタイプの丸形防振ゴムなど) (関連記事)エコキュートの騒音対策 -振動および低周波音の抑制- [Googleでnoahnoah研究所のブログ内を検索] → noahnoah研究所に戻る → noahnoah研究所掲示板(^o^)に行く → 伊藤@横浜へ直接メールを送る → 伊藤@横浜のROOMへ行く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2019.09.11 11:06:23
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