ある役者のつぶやき（送料無料市場）

いきつけの寿司屋で、いつもの丼を食おうと思ったら、
入る矢先に、いつもいる常連が、おっさんと口論していた。

常連は、完全にぶちキレてる。
一方のおっさんは、にやにやして、常連が触るな、と言っているのに、
「まぁまぁ。何そんなに怒ってるのｗ」と触っている。

１０分間ぐらいそんなやりとりが続いて、しまいには、周りの客から、
「いい加減にしろ、外でやってくれ。怒らない店員もおかしいよ！」と野次が飛んだ。

これで済むかと思ったら、まだ、おっさんがちょっかい出している。
「名刺出せ、この野郎」と常連が言った結果、２枚づつ渡す、
意味不明な名刺交換となったわけだが、
おっさんが、「はい！」と名刺を台に叩き付けた。
１枚目だけならまだしも、２枚目も。

さらに、常連に触ろうとしている。

いい加減、頭にきた俺は、
「触るなっつてんだろうが、ボケ！場読みできねぇのか、てめぇは！」と
ぶちキレた。

きょとんとしている、おっさんに、
「飯がまずくなるじゃねぇか！」とたたみかけた。

店内は、シーン、となった。
「よく言った」と小声でささやく声が聞こえた。

おっさんは、「何なんだ、君は。」と言ったが、
「うるせぇ。このくそオヤジ！」とお見舞いしてあげた。

自分の方が優勢だと思い込んでいた、おっさんは、
思わぬ横槍に無言になり、帰っていった。

寿司屋に平和は訪れたが、いた客が半分になっていた。

常連とそのあと、初めてしゃべったが、
はっきり言って、常連が、店内で携帯で話をしたところ、おっさんに外で話せ、と言われたのが
ことの発端らしい。

常連としては、目いっぱい気を使って、電話をしていた、というが、
んなこたぁ、どーでもいい。

実にアホらしいが、「ふぅーん」、と聞いてあげた。

「あのおっさんは、何者ですか？」と名刺を見てみると、
なんかよーわからん会社の副社長とのこと。

あんな、トンチンカンなおっさんの下で働いている部下は、かわいそうだと思った。
グレードがいい丼を食べていたのに、途中で食欲をなくすまでになったことが悔やまれる。