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2009年06月18日
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カテゴリ:テレビ番組

NHKスペシャル「シリーズJAPANデビュー 第1回『アジアの“一等国”』」
(4月5日放送)の内容が偏向していたとの批判が高まっている問題で、
NHKは番組のホームページに
「一次史料や研究者への取材に基づいて制作した。
特定のイデオロギーや歴史観に基づくものではない」とする説明文を掲載した。

リアルタイムでは見逃したので、YouTubeで見てみた。

「人間動物園」、「日台戦争」など、初めて聞く言葉が多かった。

「日台戦争」という用語は、
1995年日清戦争百年国際シンポジウムが初出とのこと。

【番組の参考文献】



東アジア国際政治史

鉄道を敷設し、港湾を整備し、世界のシェア7割を占めていた、
台湾の樟脳産業を立て直した、ということも、初めて知った。

ほかにも、「漢民族とは?」、「中国語とは?」など、
番組として、短い尺の中で説明しようとすると、無理が出るであろう項目も
含まれていた(その点において、詳しく説明されないと文脈だけでは理解は困難で
用語法として不用意、不適切だったとも、言える)。

NHK側の見解と、有識者や出演者の意見とされる記事も読んでみたが、
難しい問題をはらんでいると感じた。

知っていることをすべて、放送してもよいのか、ということもあると思う。
とくに、「人間動物園」のくだりは、刺激が強すぎたかもしれない。

その中でも、台湾の高士村の人々を映し出したのは、やりすぎだった気がする。
部落問題と比較して考えることはしなかったんだろうか
(逆に言えば、高齢の子供たちのインタビューまで撮っていて、
よく取材できているとも言える)。

【番組の参考文献】



もっと知りたい台湾第2版

台湾は親日的だ、という感情は、果たして一般的だろうか。

そんな気もするが、仮にうまくいっている、親日的だとすれば、
今、うまくいっている関係を、あえて蒸し返す必要も
ない気がする。

出演者からクレームは受けていないと、局は言うものの、
ほかのメディアを通じて、番組内の用語法など、
「初めて知った」という言葉が出ているところを見ると、
自分の発言以外の部分については、違和感を感じた、
というのが、真実に近いのではないか。

番組の作り手側とすれば、尺の問題がある。
両論併記で、うやむやに、「どうなんすかね」で終わらす演出もあるだろうが、
やはり、こっちの方向と、ある程度、定めて制作することが多かろう。

出演者は、おそらく、どう編集されるかまで、知らない。
また、事前に編集されたものや、オンエア前のマザーを見ることはないだろうから、
放送後に、問題になることは、まま、あるだろう。

NHKには4月末までに2500件を超える声が寄せられた。
「多くが『一方的だ』という意見」(NHK広報部)だったという。
「意見が対立する問題は多くの角度から論点を明らかにすること」(放送法3条)

NHK番組が偏向しているとして、
自民党の有志議員が報道内容を検証する議員連盟
「公共放送の公平性を考える議員の会」(仮称)が結成される模様。
呼び掛け人は安倍晋三元首相。

安倍晋三元首相って、前も、似たようなことがあったなぁ。
この種の問題がお得意のようだ。

個人的には、
「日本人になりたかった」という言葉。
日本語による教育が残した影響。

一等国の日本人、二等国の琉球人、三等国の台湾人とされた時代。
台湾の子供たちは、差別と偏見と戦いながら、
皇民化政策の中、日本語をマスターし、改姓名して、
活躍しようとした人々もいた。

人間の環境適応能力。
適者生存。

理不尽な中、生きる、ということがどういうことか。
政治という大きな枠組みが、すでに理不尽である場合、
一個のか弱い人間は、どう生きていけばよいのか。

嵐が過ぎ去るのを待つしかないんだうか。
人間の無力さも感じた。

日英博覧会で「人間動物園」を取材した、長谷川如是閑が、
「人道問題だ」と指摘していたのが、せめてもの救いだと思った。

テレビ番組史上、貴重な番組ではあると思う。
再放送や、DVDは、どうなるんだろう。

また、明日。







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最終更新日  2009年06月18日 09時55分19秒
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