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『海底の古代帝国』コナン・ドイル著 亀山竜樹訳 集英社ジュニア版・世界のSF
コナン・ドイルの晩年のSF小説「マラコット深海」の児童向け翻訳。コナン・ドイルの最後の長編作品ということになる。 マラコット博士一行は、博士が新発見したマラコット海溝を調査に向かう。潜水箱で海底の調査中に、カニとエビの合いの子のような怪物(エビラか?w)に襲われて、母船と箱を繋ぐ綱が切れて深海へとおちてゆく... そこには、天変地異で海に没した古代アトランティスの都が新たな海底文明を築いていた。 子どものころ大好きだった作品。今読んでも、レトロフューチャー的な面白さがある。 ドイル版「海底2万マイル」とずうっと思っていたのだけれど、考えを改めた。この作品は海底版「失われた世界」だ。作品の構造的にも内容的にも「失われた世界」に近い。 この「マラコット深海」、一般的にはあまり人気がないのかシャーロッキアンやドイル・ファンの間でもあまり話題にならないのが少しさみしい。 主人公がチャレンジャー教授ではなく、マラコット博士なのが少し不満ではある(不人気の理由はこれか?) マラコット博士は、タイプとしてはチャレンジャー教授に近いのだが、あれほどのインパクトはなくかなり常識人だったりする。 児童書の魅力はやはりふんだんに挿入されるイラストで、それを眺めるだけでも結構ワクワクするものだ。 本書の挿絵は、斉藤寿夫氏。表紙も口絵もステキなのだが、やはりあのエビラもどきに潜水箱が襲われているシーンをカラーで入れて欲しかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.02.18 11:27:04
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