水を得た白鳥(白鳥の湖)
海外にいれば日本にいる時よりも、幸運、ハプニング、アクシデント、トラブルに、何倍も多く出会うと感じないでしょうか?言葉や習慣が違うだけで全くの異文化になります。ウクライナから避難で日本に来た人たち、尋常ではないカルチャーショックがあるのでは?暑い気候、食生活、生活習慣、地理、人の多さのほか、ものの考え方では受け入れにくさもあるのでは?10日〜13日まで「Swan Lake on Water」が、東京国際フォーラムでバレエ・スペクタクルと称して、ウクライナ・グランドバレエによる公演がありました。「白鳥の湖」のステージに水を使った演出です。ハリコフオペラバレエが母体となっているようですが、再結成された新しい団体と受けとめられます。ステージに水を敷きその上で踊り、背景は映像です。前代未聞の試みでBS朝日、朝日新聞などが主催です。この水の公演は誰の発案なのか定かではありません。話題は尽きませんが、だから何?という気もします。土砂降りの雨で溜まった水の上で踊るようなもので、バレエ本来の芸術性を表現できるでしょうか?バレリーナたちはこれを好んでやるかな?とどうしても勘ぐりたくなります。また水によって舞台装置を損傷するリスクがあり、会場でやってみないとわからないことも多い筈です。SNSでは本番に転んだ演者がいたという書込みがあり、怪我をしたり代演もできないリスクもあります。とにかく水は運ぶにも動かすにも想像以上に重く、少しの量の違いでも水圧が変わります。さまざまな保険でもかけておかないと怖しい状況で、会場も出演者もヒヤヒヤの連続なのではないかと。世界の舞台でこの作品を踊ると謳っていますが、他の国や他の会場では許可が降りない気がします。公演にかかる費用も本来よりかかっている気がします。チケット料金のうち500円がウクライナへの寄附ですが、8,000〜15,000円のチケット料金からすれば些少です。この公演を本当にやるべきだったのかは疑問を感じます。今月20日からはウクライナお家元の、キーウクラシックバレエがほぼ毎日10月6日まで、同じ「白鳥の湖」で全国公演を行います。こちらはどこも全席指定で4,500円均一です。比べてしまうとキーウクラシックバレエがまっとうで、バレエを習う子どもたちや愛好家にとっては、全く違うものとして映る気がします。ウクライナから避難して来た人たちが、日本の芸術文化への考え方に違和感を感じたり、カルチャーショックを受けることは絶対避けたいです。