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〜 Leona's Note ~

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2011.09.19
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カテゴリ:浅田次郎
1996年刊行、浅田次郎さんの長編作品。
日中合作のテレビドラマにもなっています。

舞台は1886年、清。(現在の中国)

はじまりは貧しい村に住む少年の登場から。
占い師の老婆に、とてつもない予言をされ、
希望を見出す少年の名は春児。

そして幼馴染で地元の名士の息子、文秀。
彼は「科挙」という国家試験を受験して
進士、高級官僚を目指します。

当時の最高権力者、西太后の存在を中心に、
境遇の違う二人をはじめとして
登場人物が、それぞれが意思と葛藤しながらも
激動の時代翻弄されていくというストーリー星

登場人物が多様で複雑であり、
それぞれの呼び名が中国語読みのため、
慣れるまで少々時間が要りますが…
キャラクターがストーリーの中で
確立してくるようになると
ドラマにぐっと惹きこまれていきます。

物語には、不思議な気分にさせてくれる
要素がいろいろ。

まず、物語の展開される時間軸。
中国4千年の歴史がとびこんでくるせいか、
たいへん古い時代の話を聞いている
感覚なのですが
なじんでくると、ほんの100年と
少しほど前のドラマだと気がつかされます。
そして再び、悠久の歴史エピソードへ
招かれる。

次に、清国にとどまらず
諸国のキャストも登場するところ。
スピンオフ的なストーリ-を
交え、
舞台は日本、西洋諸国へと
大陸を越えて飛び回ります。

さらに、人物のキャラクター。
一般的に善、悪と評され、
ステレオタイプな
歴史的登場人物の印象を覆し、
魅了されるエピソードが
ちりばめられています。

日本の歴史上、重要人物も登場。
言葉を交わすなか、
黒船来航の頃に、幕末日本を情熱的に
生き抜く志士を
思い出させるシーンもあり、
歴史教科書等のなかで、
名前だけが記憶に残る人物達に
次々と命が与えられてゆく感覚。
生き生きと、
以前よりぐっと身近に感じられます。

歴史小説は政治や「力」そのものを
テーマとして
男性的イメージが強調されることも
多いですが
登場する女性のエピソードが
鍵となり、ドラマに紡がれています。
じんわり、じっくり、
キャラクターそれぞれの心情が
胸に迫ってきます。

清朝末期時代の街の雑踏、喧騒、
馬車の蹄の音。
舞っている埃、衣擦れの音。
そして、丹精された美しい庭。
当時伝えられた西洋文化の数々。

五感に訴える、
こころ豊かになれる作品です。ウィンク





















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Last updated  2014.03.09 18:52:50
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