2006/07/30(日)16:37
『きみに読む物語』
≪記憶を失くしても、こんなに幸せな女性はいるだろうか≫
ある施設に暮らす老女は認知症で過去の記憶を失っている。そんな彼女のもとへデュークと名乗る男性が通って来て、ある夏の日の恋物語を読み聞かせるのが日課になっていた。
1940年の夏、ノースカロライナのとある町。良家の子女17歳のアリーは、ひと夏を過ごす為に家族と一緒にこの町に来ていた。ある日彼女は材木工場で働く地元の青年ノアと出会う。ノアはアリーを運命の人だと信じ、アリーも次第にノアに惹かれていくが…。
若い頃のふたりは、自分たち中心の若さゆえの恋愛をしています。周りの事など何も見えない、障害をも飛び越えて愛を貫く。まさに、純愛です。
私は彼らの若い頃の純愛物語よりも、老後のふたりの関係、記憶を失った女性へ読み聞かせる行為と言うものが切なくて、より愛情を感じてたまりませんでした。もちろん若い頃の愛があるからこそそこに至っているのですが、これほど愛されてアリーは本当に幸せ者です。
年老いてからのふたりが、ジーナ・ローランズとジェームズ・ガーナーと言う往年の名優で、歳をとっても相変わらず良い雰囲気の役者さんがこういう役を演じてくれるのは嬉しいです。
ラストがたまりませんね。でも、愛情の深い夫婦にはこういう事は起こり得るかな、と思います。
ニック監督、母親ジーナにすてきなプレゼントをしたと言う感じですね。
あちらの映画のタイトルは、そのものずばり、と言ったものが多く見受けられますが、この邦題は上手くつけたと思います。
THE NOTEBOOK
2004年
監督:ニック・カサヴェテス
脚本:ジャン・サルディ、ジェレミー・レヴェン
原作:ニコラス・スパークス
出演:ジーナ・ローランズ、ジェームズ・ガーナー、ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムス、ジョーン・アレン、ジェームズ・マースディン、サム・シェパード