2010/03/06(土)18:05
赤い鳥 「竹田の子守唄」
スーザン・ボイルのデビューアルバム "I Dreamed A Dream" 「夢やぶれて」は世界中で大ヒット。失礼かもしれないが、容姿とその歌声のギャップにまず驚かされ、次に歌のうまさに本当に驚かされる。
彼女のこのデビューアルバムで日本盤ボーナストラックとして、あの名曲「翼をください」が "Wings To Fly" と言うタイトルで入り、youtubeで大変な評判を呼んでいると聞き早速聴いてみた。彼女の歌声は本当にミラクル。そして、改めてこの「翼をください」と言う楽曲の素晴らしさを思い知る。
そこで、思い出すのが元々この曲を歌った”赤い鳥”と言う男女5人のフォークグループ。今はその”赤い鳥”の解散後、 ”赤い鳥”の中の3人でハイファイセットと言うグループを作り、そこを又解散後ソロシンガーとして活躍している山本潤子さんが歌っているのを聴いた事がある人が多いのではないか。
1970年代前半にこの歌が作られ、当時から私も大好きな曲だ。情景が手に取るようにわかる、大空に向って翼をはためかせて行く、そんな広がりを持つこの曲が、40年経った今聴いても全く色褪せることなく歌い継がれて来ているのは、この歌の持つセンスの良さからなのかもしれない。山上路夫氏の詞ももちろんだが、村井邦彦氏の当時の他の作品同様、新しい日本のポップスの最先端にあるような曲だ。
私はこの”赤い鳥”と言うグループを初めてテレビで観て、彼らの歌を聴いたときの事を鮮明に憶えている。
それは私がまだ小学生だった頃。多分テレビの歌番組か何かで、コンテストに優勝したグループとして紹介され、彼らがその時歌ったのはアメリカのフォークソング「500マイル」、そして「竹田の子守唄」だった。その時にはまだ、「翼をください」を聴いてはいなかったと思う。
「500マイル」でもそのハーモニーは素晴らしかったのだが、とりわけ小学生の私がズドーンと衝撃を受けたのは、「竹田の子守唄」だった。
初めて聴く子守唄だった。
静かに始まるフォークギターの音色と女性のソロ。
哀愁を帯びたメロディ。(日本の子守唄はどれもそうだが)
そして、3番、4番に男性のコーラスが入るところでクレッシェンドがかかり、素晴らしいハーモニー。
そこで私は、フワーッと心が波打ち鳥肌が立ち、涙が込み上げたのを今も忘れる事が出来ない。
その後”赤い鳥”の歌った「翼をください」や「赤い花 白い花」を、中学校時代の若い音楽の教師は、授業中に自由に歌わせてくれた。そこでハーモニーも付けて教えてくれたので、自分達も”赤い鳥”になったようだった。
しかし、残念ながら私の大好きな「竹田の子守唄」を授業中に歌う事はなかったのだが。
時は過ぎ、私が高校生になった頃に”赤い鳥”は解散。
名曲「翼をください」は、有名な合唱曲となり歌い継がれ、サッカーワールドカップフランス大会では日本チームのサポーターによる応援歌となり、長野オリンピックのジャンプ団体で金メダルを日本が獲った時のメダルセレモニーで、山本潤子が歌い、会場も一体となって歌い、大いに盛り上がり感動した事は思い出深い。
だが、「竹田の子守唄」はその後はなかなか聴く事がなかった。
実はこの「竹田の子守唄」が封印されてきた、と言う事実を知ったのはわずか数年前の事だった。
物悲しいメロディの奥にある詞にいろんな意味があった事。その為に、もう随分早い時点で(”赤い鳥”が解散前に)メディアはこの曲を封印した事。
しかし、それが何なのだろう。
こんなに素晴らしい曲を、そしてその曲を更に胸打つ歌唱力で多くの人を魅了した”赤い鳥”を、もっと知ってもらいたい。
今日スーザン・ボイルの "Wings To Fly" をyoutubeで聴いて、その後「翼をください」をそして、 ”赤い鳥”の「竹田の子守唄」を検索すると、出てきた!
あの懐かしい歌声を、小学生の私の心を鷲づかみにしたあの素晴らしいハーモニーを数十年振りに聴く事が出来た!
改めて聴いて、又感動。
もう彼らのCDなんてないのだろう、と一応調べてみたらベスト盤が出ているじゃないですか。
早速注文です。
翼をください竹田の子守唄赤い鳥 / ベスト・オブ・ベスト
GOLDEN☆BEST/赤い鳥 翼をください~竹田の子守唄 / 赤い鳥