君を迎えに
母衣崎健吾
木漏れ陽射す
戸隠の森に
恥らうように
コブシの花が
咲いていましたね
君が編んでくれた
うす緑のセーター
ちょっぴり大きかったけれど
とても嬉しかった
寄り添うように
細い肩を抱いて
白樺林歩いていたとき
幸せになろうねと言ったら
君は流れる涙を拭きながら
頷いてくれたね
あれから二年目の
冬が過ぎたけど
きのうのことのように
思いだします。
先週の日曜日
鎌倉の海が見える
アパートを見つけました
狭いけれど
僕たちの
精一杯の出発ですね
今
上野から君を迎えに
発つところです
のいちごつうしん NO:505