ジャズの好きな人には観てほしい。 GOOD NIGHT,AND GOOD LUCK
歴史背景はオープニングでわかりますよ。 グッドナイト アンド グッドラック実際にあった話の映画化だそうで。歴史背景はオープニングでちゃんと流れますので問題ないんですが、一応。米ソ冷戦時代の1953年、上院議員のマッカーシーがアメリカ国内の共産主義者を根絶やしにしようとした。(俗にいう赤狩り)それは根拠の有無に関わらず、本人の身近な人間が共産党主催のパーティーに1回でも出席したことがあるという程度で突き上げを食らい、数千人が職を失い自殺者まで出るような事態になっていた。しかし、そんな状態下でもマスコミは報復を恐れて、批判的な報道を避け続けた。そんな状況に危機感を抱いたCBSの人気キャスターだったエド・マローは、番組内で赤狩りの矛盾を取り上げる決意をする。この作品はモノクロです。いわゆる、白黒映画。これがいい味なんですねえ。タバコのけむりが映えるんですよ。もしかしたら、象徴的なこのタバコのけむりを生かしたくてモノクロにしたんじゃないですかねえ。あと、要所要所で流れるDianne Reevesが歌うジャズシーンがいいんですよ。タバコのけむりとジャズ、この2つとモノクロがよくあうんですなあ。そして、エド・マローを演じるデヴィット・ストラザーン、この人が渋いね~。カッコイイ。ストーリー自体は、実際にあったことをどちらかと言えば淡々と追っている感じなので、人によっては山もオチもないつまらない映画と感じるかもしれませんね。でも、ダイアン・リーヴスのジャズシーンとエド・マローが決め台詞「GOOD NIGHT,AND GOOD LUCK」と言うシーンを観るだけでも十分価値のある作品だと思うけどなあ。ちなみに、この作品って現在の日本の放送業界、マスコミ関係者には耳が痛い作品なんじゃないですかね。今の日本の報道に正義はあるんでしょうかねえ。テレビ番組も、地上波デジタルがどうのって言い続けているけど、そのころにはインターネットでも面白い番組が見られるようになっている気がするし、「テレビとインターネットはなんだかんだ言っても違うんだ。」って言う人がテレビ業界の中にはいるけど、なんか根拠が乏しいんだよねえ。今、国会で扱われている重要な法案に関してだって、日曜の朝早くではなく、ゴールデンタイムに生放送で大物政治家を出演させて国民の前で話させて、それに大しての疑問点や矛盾点を視聴率を稼ぐためにハマコーとかに引っ掻き回させるのではなく、淡々と、ただ淡々と国民の前で国会議員を追及していくような番組を、毎週とか毎月っていうんではなく、現在のような重要な時期だけでも放送するべきなんじゃないですかねえ。まあ、ライブドアのフジテレビ買収のときの対応を観る限りでは、そんな気骨は期待できないのはわかっているけどね。Dianne Reeves『オリジナル・サウンドトラック-「グッドナイト&グッドラック」』Dianne Reeves『The Calling: Celebrating Sarah Vaughan』