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カテゴリ:木工
今から8年前にインターネットオークションで落札した、78年前のイギリスのボウバックチエアーです。
その時には、二脚とも修理が必要な状態で、特に一脚は捨てられる寸前の様な感じでした。 送られてきて、すぐに修理をして何とか使えるようになり、それから12年間は無事に我が家のリビングで活躍しました。 ところが状態の悪かった方の一脚が、修理後12年たって壊れたということで、今回修理する事にしました。 壊れたのは脚の部分で、割れた座板を貫いて上に出てしまいました。 この部分は10年前に埋め木をしていましたが、座る人の体重をカバーすることが出来ず、割れも酷くなって壊れてしまいました。 それでも10数年も壊れず使えたということに、感謝するべきなのかも知れません。 このイギリスの椅子は、エルム材・日本で言うとニレの樹で作られています。 昔のイギリスの家具は、同じヨーロッパでも北欧などに比べてムク材を使い、オイルフィニッユで仕上げされているので、修理が可能で長く使う事が出来るのです。 今回は脚のある座板部分を大きくえぐり、そこに黒檀で補修する事にしました。 黒檀は結構硬い樹なので、色違いがアクセントにもなって、良いのではないかと思い使いました。 1946年~1950年は、イギリスではミッドセンチュリー期にあたり、このウインザー・ボウバックチェアーが安く多く作られ、各家庭の台所で使われていたようです。 背もたれを支える木が、弓(ボウ)のように曲げらている所から、この名前が付けられました。 この椅子には座板裏に、426という製造番号が焼印されていました。 一脚の椅子も78年以上、修理すれば使えるという事実に、家具作りを趣味としている者にとって、大いに刺激となるとともに、もう一度家具作りの初心に戻るような気持ちにさせてくれる、貴重なイギリスの古い椅子です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/12/15 06:02:06 PM
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