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カテゴリ:ご馳走
知り合いの葬儀に参列し、帰りに葬式饅頭を頂きました。
葬式饅頭は葬儀に提供される饅頭の総称です。 最近では少なくなりましたが、田舎ではまだ葬式の時に持って行き、お供えした後、参列者に配られます。 これには宗教的、民俗的な背景があり、故人が所有していた物を残された者に、喜んでもらえる形にして返すと言う意味があるそうです。 昔、私が生まれた家の隣は、初老の夫婦が営む饅頭屋さんでした。 饅頭もパンも作っていましたが、饅頭の方が多かったように思います。 葬儀の予約が入れば、沢山の葬式饅頭を作っていました。 饅頭が蒸しあがると本当にいい臭いが隣からしてきて、小さかった私は飛んで行き、饅頭作りを見ていました。 葬式饅頭は蒸し上がると焼き鏝で、蓮の花やら菊の花など押して出来上がりとなります。 その工程が面白かったのと、かならず形の悪い物を食べさせてくれたので、毎回見に行っていて、私にとってはおやつの時間という感じでした。 この御夫婦には、本当に可愛いがってもらいました。 今にして思えば、蒸したて焼き立ての饅頭やパンを食べるのですから、おやつとしては、これ以上の贅沢はなかったと思います。 今回頂いた葬式饅頭が、薄皮で柔らかく、あんこもしっとりとして本当に美味しく、予想以上の味に驚きました。 それと同時に、幼い頃に饅頭を食べさせてくれた、隣の老夫婦の饅頭の味を思い出し、無性に懐かしく思えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021/03/18 05:17:41 PM
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