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カテゴリ:芸術、美術
高梁市成羽美術館で開催されている「大津絵と浮世絵展」を観て来ました。
ピカソ・シーボルト・富岡鉄斎も熱狂したと言う「大津絵」です。 「大津絵」は現在の滋賀県大津市で、江戸時代初期から作られた民俗画で、様々な画題を扱い東海道を旅する人々のお土産物、護符として売られた安価な絵でした。 美術品を目指して作られたものではなく、神仏や人物・動物がユーモラスなタッチで描かれ、道歌が添えれているのが特徴です。 多くの絵や道歌には、人間関係や社会に対する教訓・風刺が面白く込められています。 「大津絵」で一番有名なのが、「鬼の念仏」 入り口近くに飾ってありましたが、素朴で飾り気のないタッチが本当にいい感じです。 旅人がお土産に手軽に買えた物なので、大切に保存して持っている事もなく、貼って見て楽しんだ後は捨てれたり焼かれたりで、現存数が非常に少なく、今では貴重なものとなっています。 今回は「大津絵」35点展示されていましたが、一つ一つが大変面白く観るのに時間がかかりました。 全部は紹介出来ませんが、下の「猫と鼠」はピカソも所有していて、大変気に入り大切にしていたそうです。 猫が鼠に酒を飲ませて、酔っぱらったら食べてしまおう。という考えのようです。 あまり酒を飲んでいると、この様に自分が分からなくなってしまう、という教訓の様な道歌が書かれていて、「大津絵」らしい一枚です。 「提灯に釣鐘」 形は似ていても重さに格段の違いがある事。 物事の釣り合わない事、一方重いから片思いのしゃれで、何かがおかしい事だそうです。 「瓢箪から駒」 思いがげない事、道理上ありえない事、冗談半分で言ったことが現実になる事。 そういうことも良くある事ですが・・・ 「鬼の三味線」 鬼は「大津絵」には欠かせないもので、有名な画題です。 音曲や酒におぼれていると身を亡ぼすという戒めで、「猫と鼠」の鬼版で、昔は酒飲みが多かったようです。誰とは言いませんが今でもいます。 他にも面白いものが沢山あり、時間があれば是非本物を見てほしいと思います。 今回は、東海道五十三次の「浮世絵」が紹介出来ませんでしたので、又次回に紹介します。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021/09/19 07:46:48 AM
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