川へ行こう!5 ドンコ
川魚の中でもドンコは、ユーモラスな魚で憎めません。ドンコ・ハゲギギ・カマツカなどの川魚は、釣りでも網打ちでも、なかなか捕まえる事が出来ません。理由としては夜行性である事と、昼間は草の下のヤに潜んでいる為です。捕まえる為には、流れが穏やかで底が砂地になっている浅い場所の水草の下、ヤと呼ばれる奥まった場所に網などを入れて、ザクザクするのが一番良いと思います。下の写真のような場所が理想的ですが、これよりも大きな河川のヤにも勿論います。ドンコはスズキ目ドンコ科。日本産ハゼとしては珍しい、純淡水性の魚です。全長は25センチを超えるものも居て大型種ですが、今回のものは15センチ・一匹と10センチの二匹です。特徴としては、頭部が大きく横幅がありナマズの小型という体型です。口は大きく、唇は厚く、下あごが上あごより前に出て、上下には小さな歯があり結構何でも食べてしまいます。明るい場所で見ると、身体には黒の斑紋があり、繁殖期には全体的に黒っぽく見えるようです。けっこう面白い顔をしていて、私の好きな魚の一つです。他にはカマツカという、ドンコに良く似てより細く色も薄い、スマートな魚もいますが、これも昔は良く見ましたが最近ではあまり見る事が無くなりました。見なくなったと言えばハゲギギという、これもドンコの仲間のような魚ですが、背びれなど素手で触ると刺すという魚も、最近ではあまり見かけなくなりました。このようなドンコの仲間やスジエビ・トンボの幼虫などの水生昆虫は、実際川の中に入らないと見られない種類なので、そう言う機会が少なくなった現在では、よけいに見かけないのかも知れません。このように川の持つ多様性の分る生き物が沢山居る事を、今の子供達にも知ってほしいと思うのですが、なかなかチャンスが無いのは本当に残念な事です。