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2005.09.06
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七瀬ふたたび
筒井康隆『七瀬ふたたび』
~新潮文庫~

 家政婦をやめた七瀬。母親の家へ帰る電車の中、強烈な夢を見る。がけ崩れ、電車の脱線、多くの死傷者…。同じ電車の中で、彼女はテレパス(精神感応能力者)の存在に気づく。ノリオと、恒夫の二人だった。
 七瀬は、ノリオと暮らすようになる。そして、さらなるテレパスとの出会い。やがて彼女は、彼女たちを殺そうとする集団の存在に気づき、彼らから逃れるべく動き始める。

 目次に5つの章題がありました。短編(中編)として読むこともできたでしょうが、あえて長編として、通して読みました(一編ごとに感想つけると、時間かかるので…)。
 テレパスを、もう少し身近な存在として読めば、考えさせられる部分も大きいのでしょう。私は、「鬼」を連想することしかできませんでした(高田崇史さんの作品が念頭にあります)。もちろん、そこから考えを発展させることもできるのですが…。
『家族八景』では、テレパスの効果も十分にあるとはいえ、そこに描かれているのは多様な家族のどろどろとした関係、感情、要は人間模様でした。本作、『七瀬ふたたび』は、背表紙の紹介を読んだ時点で予想はしていたのですが、どちらかといえばエンターテイメントとして読みました。
 さまざまな能力をもつテレパスたち。自分たちだけの間に暗黙のうちにあるルール。「普通の人」との相違。テレパスとしてのアイデンティティへの疑問…。
 あまり勉強もしていないのに言うのはおこがましいのですが、民俗学などの「異人」の問題と関連しても考えられるかな、と思いました(先に書いた、「鬼」と同じようなことですが)。
 とまれ、くりかえしになりますが、エンターテイメントとして楽しめる作品でした。面白かったです。
   *
 追記。一応、『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』は、独立した作品としても楽しめますが、次作につながってくる部分もあるので、順番に読むほうが良いのかもしれません。けれども、それぞれ作品の性格は違っているように感じました。
 周囲を見る。自身を見る。人知を超えた存在を見る。…思い切って一言でいえば、このようにいえるかと思います。





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Last updated  2005.09.06 13:14:50
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