カテゴリ:マンガ
小栗左多里『ダーリンは外国人』 ~メディアファクトリー、2002年~ ずいぶん評判になった本だと記憶しています。いやぁ、面白いですね。 作者の小栗さんと、ダーリンのトニーさんとの日常。 面白く読んだところをいくつか。 トニーさんの感受性の豊かさが話題になっています。私の感受性の豊かさは、自他ともに認めるところだと思うのですが、日本人の中では比較的、という程度なのですね。トニーさんほどではない…はずです。 映画を観るときに、外国人の方々はわーわー意見を言いながら観るそうで(アメリカの下町のおばちゃんが例になってます)、もうこのあたりは日本で20数年生きてきた以上、すぐには受け入れにくい感性ですね。 日本人の謙遜のあり方も、外国人の視点から見れば、また新鮮に(冷静に?)見えます。以下ちょっと脱線ですが、自分では謙遜するのに、他人はそれを肯定しないようになっていますね。というか、謙遜(のつもり)で言った発言を他人に肯定されちゃうとちょっと腹が立つというのが、面白い心性だと思います。私がそうかどうかはともかく…(苦笑) 一個100円のパンを買うか、一個200円のパンを買うか、でもめる話も面白かったですね。ここまできたら、日本人と外国人の違いというより、個々人の価値観の問題ですが…。やつれた小栗さんが、1コ200円のパンを食べたかったな、と言っているコマには大笑いしました。私は、1コ100円派(安ければ安いほどいい派)ですが、あんまりがめつすぎるのも問題ですね…。私の場合、本に対して激しく貪欲なので、その他は倹約にはげみたいから、こうなのですが。 日本語の表記の話も、興味深かったです。小栗さんもおっしゃっていますが、日本語は音も大事ですが、書く場合は表記もとても大事だな、と。ネコとねこと猫では、やっぱり感じが違うのです。前はねこという表記が好きでしたが、ネコと書く方ががかわいいかな、などと思う今日この頃。 この話で面白かったのは、ブラジルの日系人が木を五つ並べた字を使ったりするそうなのですが、そのあとにトニーさんが言ったジョークに対する小栗さんのツッコミ。小栗さんがメデューサになっちゃっています。 同じく言語関連で興味深かったのは、日本人が英語の発音が苦手なのは、カタカナ表記にして考えてしまうから、という指摘。たとえば、フランス語のrは、カタカナにあてはめるのが難しい音なのですが(発音も難しい)、辞書でかなで発音を示す場合は、「る」など、ひらがなのラ行があてられます。lの音はカタカナのラ行ですね。本書でいえば、theの音。母音の前と子音の前で発音を注意するように習いましたが、ネイティヴは意識してないとか。教育ってなんなのでしょうね。 最後、トニーさんの名言が紹介されています。この本を紹介してくださった方からちょっと聞いていましたが、面白いです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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