のぽねこミステリ館

2006/10/09(月)11:49

高田崇史『QED~ventus~御霊将門』

本の感想(た行の作家)(215)

高田崇史『QED~ventus~御霊将門』 ~講談社ノベルス、2006年~  話の流れで、棚旗奈々・佐織姉妹は、桑原崇とともにお花見に出かけることになった。 靖国神社から見えた筑土神社が、平将門と関わる場所だったこともあり、そこから三人のお出かけは(崇に導かれて)将門ゆかりの史跡めぐりとなった。初日に東京にある将門関連の神社などは回ったが、翌日はさらに茨城県に―さらには千葉県にまで足をのばすことになる。  怨霊として認識されている将門のイメージを、崇は覆していく。    *  一方、同じ頃、千葉で就職していた神山禮子は、珍しく外出した。人混みが嫌いではあるが、成田山をぶらぶらしてみようと思ったのである。  彼女をつけ狙う男が、一人。  『熊野の残照』の記事を読み返したのですが、その作品でも殺人事件は起きてなかったみたいです。今回も殺人事件は起こりません。次作でなにか起こりそうな予感ですが…。  QEDシリーズの感想の記事を書くときはしばしば書いているみたいですが(書いた本人覚えていません)、私は日本史に詳しくありません。平将門のことも、中学高校で習った知識しかないですし、というかそれすら覚えていないのでそれ以下ですね。残念です。  とはいえ、面白く読めたのですが、途中からもう分からなくなりました。厳密には分かろうとする努力を怠った、というべきでしょうけれど、やっぱりある程度予備知識がないとしんどいですね。  個人的には、最近新書で靖国問題を扱った本を読み始めたこともあり、靖国神社に関する言及があったのが面白かったです。  神山さんと男が出てくるシーンは、おまけみたいなものですね。ですが、そのおかげで、読みやすかった気もします。QEDシリーズの殺人事件はとってつけたようなもの、という思いもありましたが、桑原さん他数名だけの旅行・歴史の謎解き話というのもしんどいな、と感じました(勝手なものです…)。

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