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2008.11.15
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金田一耕助の冒険1
横溝正史『金田一耕助の冒険1』
~角川文庫、1983年12版(1979年初版)~

 角川文庫『金田一耕助の冒険』(1976年初版)を2分冊にした第一巻。映画「金田一耕助の冒険」封切りを目前に控え、2分冊にしたのだそうです(映画のタイトルは先日読んだ『横溝正史読本』で確認したのですが、こんなタイトルの映画もあったのですね)。本巻には6編の短編が収録されています。
 なお、『金田一耕助の冒険』は、横溝正史さんの角川文庫表紙画でおなじみ、杉本一文による表紙なのですが、ちょっと金田一さんがリアルすぎて…。その点、分冊版の方は和田誠さんの絵で、かわいらしい感じになっています。
 というんで、今回は分冊の方で読みました。電車の友にも、厚さがちょうど良いので…。
 前置きが長くなりましたが、まずはそれぞれについて簡単な内容紹介を書いて感想を。

ーーー
「霧の中の女」霧の深い夜、宝石店に現れた一人の女。アクセサリを盗んだ女を店員は追うが、殺されてしまう…。後日、また別の男が殺害される。現場には、宝石店の事件で盗まれていたアクセサリが盗まれていた。そして奇妙なことに、被害者の衣服が持ち去られていた…。

「洞の中の女」しばらく空き家だった家に住み始めた作家夫婦。その庭にある一本の木の洞を塗り込めたセメントから、女の髪がのぞいていた…。

「鏡の中の女」金田一耕助が信頼をおく、読唇術のできる先生と金田一耕助がカフェで話をしているとき、先生はふいに鏡の中の女の唇を読んで言葉をメモしはじめた。まるで殺人の計画を練っているような言葉に不安がよぎるが、その後、その話の通りに殺人事件が起こった。ところが被害者は、殺人計画を練っていたはずの女だった…。

「傘の中の女」目立つビーチパラソルの中から聞こえてくる男女の甘い声を、近くに陣取っていた金田一耕助は聴くはめになってしまった。やがて泳ぎに出た男が帰ってくると、砂に埋もれて待っていたはずの女は殺されていた…。そして金田一耕助は、その犯人を目撃していたのかもしれないのだった。

「瞳の中の女」事件に巻き込まれて、記憶を失った一人の男。男にはしかし、瞳にやきついた女の顔があった…。入院中に火事を経験したことをきっかけに記憶を取り戻した男は、事件の起こった場所に何かを探しに行く。

「檻の中の女」川を流れてきた一艘のボートには、犬の檻が乗っており、その中には女が縛られて閉じこめられていた…。そして、大きな汚職と関係していたこの事件の関係者は、失踪を遂げていた。
ーーー

 最近はなかなか読了後すぐに感想を書けなくなっているので、どんどん記憶が薄れていきます…。
 さて、『金田一耕助の冒険』のタイトルで収録された全11の短編(本書は分冊なので前半の6編のみ)は、すべて「~の中の女」というタイトルで統一されています。なので別名「女シリーズ」ですね。
 金田一さんが緑ヶ丘荘に引っ越してきて間もない頃の事件だそうです。そしてこのシリーズのラストでは、シリーズの記録者に金田一さんが事件について語るというスタイルをとっています。

 本書の中でいちばん面白かったのは、「瞳の中の女」です。金田一耕助シリーズとしては異例の結末ですが、本書の主人公は金田一さんというよりも、記憶を失っていた男だと思います。記憶を失った彼のひとみに焼き付いている謎の女…。「瞳の中の女」とはそういう意味かと納得すると同時に、なんとかっこいいタイトルかとも思います。
 第二巻も読了したので、また記事を書いてアップします。

*表紙画像は、横溝正史エンサイクロペディアさまからいただきました。
(2008/11/12読了)





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Last updated  2008.11.15 08:39:07
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