カテゴリ:本の感想(た行の作家)
高田崇史『麿の酩酊事件簿 月に酔』 ~講談社ノベルス、2003年~ 前回紹介した『麿の酩酊事件簿 花に舞』に続くシリーズ第2巻です。本作には、原作のノベライズ2作に書き下ろし2作を加えた、計4編の短編が収録されています。 このシリーズの流れについては前回の記事で書きましたので、今回はさっそく、それぞれの話の謎の部分について簡単に紹介します。 ーーー 「第一章 診察券を忘れずに」倒叙スタイルの物語。友人を殺してしまった女性はアリバイ工作を試みるが、いかにしてトリックが見破られたのか。 「第二章 ニイハオ、チョングォイェファンイー」橋の上で物思いにふける女性を見て自殺かと考えた文麿は慌てて助けに行くが、それは単なる勘違いだった。彼女は中国語を教えているが、ある殺人事件で被疑者とされた中国人の通訳もしているという。その被疑者は逮捕される気配が濃厚だったが、彼女は彼が犯人ではないと考え、証拠を探しているというのだった。 (タイトルは、ニイハオのニイの字が出なかったのでカタカナ表記にしましたが、後半を漢字で書くと中国語翻訳です) 「第三章 轆轤は回る」文麿が、知人の娘の陶芸の個展に行った際、陶芸家たちに嫌われていた問屋が空気を悪くする一幕に出くわしていた。ところがその問屋が、女性の師匠の仕事場で殺されていた。はたして犯人は…? 「第四章 湯煙の向こう側」家族で慰安旅行に訪れた文麿。なじみの若女将とその妹もいて、心躍る文麿だったが、そこでまた事故(事件)が起こる。女湯側で倒れたはずの男は、なぜ男湯側で遺体が発見されたのか。 ーーー というんで、今回も軽くざーっと読めました。第二章は謎解きの方向には気付いて、ちょっと嬉しかったです(再読なので、実は覚えていただけかも知れませんが…)。第二章と第四章は真相をすっかり忘れていたので、驚きも味わいながら楽しめました。 (2009/04/25読了)
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