カテゴリ:本の感想(か行の作家)
黒田研二『阿弥陀ヶ滝の雪密室―ふたり探偵シリーズ―』 ~カッパノベルス、2003年~ 以前紹介しました『ふたり探偵―寝台特急「カシオペア」の二重密室―』に続く、シリーズ第2弾です。シリーズが続きそうな雰囲気もありつつ、シリーズ第3弾はまだでていないようですが…。 それでは、内容紹介と感想を。 ーーー 2003年1月。 いまだに本体にその意識が戻らない胡田キョウジをお見舞いに行った向河原友梨は、一人の少年、一輝に出会う。刑事に出会えると喜んでいた少年は、その夜、事件に巻き込まれる…。 前回の事件以来、友梨のなかにはキョウジの意識が同居している。ところが、その夜、とつぜんキョウジと話せなくなった。彼の身に何かあったのではないか…。慌てた彼女は、車を持つ隣人の大学生、沢渡元気の協力を得て、病院へかけつける。そこでは、キョウジが何者かに首を絞められたこと。看護師が何者かに頭部を殴られたこと。そして、昼に出会った一輝が連れ去られたことを知る。少年誘拐事件が相次いでいるが、その事件の特徴となっているアイリスが、一輝のベッドに置かれていたのだった…。 無事、キョウジの意識は友梨の中に戻ってきた。二人は、シリアルキラーJが再び活動を始めたのではないかとおそれ、調査をはじめる。その中で、新興宗教の教祖が殺害されたというニュースを知る。教祖に恨みを抱いていた男を訪ね、友梨は岐阜県へと向かう。 上半身と下半身を切り分けられた教祖の遺体は、富山県と三重県で見つかった。友梨が有力な容疑者とにらむ男は、しかし遺体をどちらにも遺棄しに行くことは不可能だった…。 ーーー シリーズ1作目と同じく、こちらも面白かったです。文体も読みやすいですし、事件も誘拐事件とJのさらなる犯行が重なって盛りだくさん、さらに謎も魅力的と、なんともぜいたくな作品となっています。 真相でも気持ちよく驚けました。 安心して楽しめるシリーズだと思います。シリーズの最新作がでればよいなぁ…。 (2009/08/09読了)
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Last updated
2009.08.14 06:34:34
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