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2010.01.27
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松尾由美『ピピネラ』
~講談社文庫、2005年~

 松尾由美さんの長編作品です。
 それでは、内容紹介と感想を。

ーーー
 一年半ほど前から、わたし―山脇加奈子に異変が起き始めた。体が小さくなるのだ。それは、外出から戻り、玄関で靴を脱いだときはほぼ間違いなく起こる。玄関で靴をはいて、出かけるときには元に戻るのだが、外出先でも何度か小さくなったことがあった。
 ある夜、まじめな夫がなかなか帰宅しなかった。そこに、夫の会社の同僚である堀井から電話がかかってくる。夫が会社で服を着替えていること。そして、上野駅に彼がいたということを、彼は伝えてくれた。
 堀井から詳しい話を聞くために出会ったとき、返してもらったスーツから、メモ書きが見つかった。いくつかの駅名と時間、そして「ピピネラ」という謎の言葉が、そこに記されていた。
 駅名と時間が実際のものか調べるため、本屋に時刻表を買いに行ったわたしは、そこで高校時代の同級生、小此木千紗と再会する。千紗は、事情を聞くと、手伝いをしようかと提案してくれる。
 そしてわたしは千紗とともに、夫の旅程を辿ることにする。夫がどういう人物なのか、なぜとつぜん失踪したのか、それを探るために。
ーーー

 ふしぎなタイトルと、鳥籠―表紙を見て受ける印象が、まさに物語の雰囲気を伝えてくれています。
 夫の失踪はもちろんですが、小さくなるという加奈子さんの抱える問題もあります。さらに、夫の旅程をたどる中で判明する、陶芸家の夫婦に、鳥と人間が一体化した不思議な人形の謎。千紗さんもまた、なにか問題を抱えているようで…。
(以下、念のため文字色反転)
 失踪した夫を捜す過程のなかで、むしろ謎やもやもやは深まっていきます。ある程度の答えは与えられますが、すべてが明かされるわけではなく、むしろ多くは謎のままに残ります。本格ミステリならもやもやして気持ち悪い(というか、こんな「意外な結末」は読者の怒りをかうでしょう)ですが、この物語にあっては、それがいい、というか。
(ここまで)
 300頁ほどの、そう厚いわけではない一冊ですが、それ以上のふくらみを感じられる物語です。

(2010/01/24読了)





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Last updated  2010.01.27 06:52:28
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