カテゴリ:本の感想(た行の作家)
筒井康隆『エンガッツィオ司令塔』 ~文春文庫、2003年~ 筒井康隆さんの短編集です。断筆解除後、初の作品集のようですね。 それでは、収録作品を掲げたうえで、特に印象に残った作品について感想を。 ーーー 「エンガッツィオ司令塔」 「乖離」 「猫が来るものか」 「魔境山水」 「夢」 「越天楽」 「東天紅」 「ご存知七福神」 「俄・納涼御攝勧進帳」 「首長ティンブクの尊厳」 附・断筆解禁宣言 文庫版あとがき 解説 小谷野敦 ーーー まずは、表題作。このタイトルで、初期の短編集にあったようなSF作品かと想像していましたが、やられました。彼女にプレゼントを買うために、人体実験のバイトをかけもちする学生に待ち受けるものは…? 「乖離」が特に面白かったです。おとなしい外見でいながら、しゃべると方言ときたない言葉を丸出しにする女性が、テレビで注目されるようになります。彼女についてのもっともらしい解説も面白いです。 「越天楽」「東天紅」「ご存知七福神」は、七福神シリーズとでもいいましょうか。七福神たちが主人公の面白いエピソード集です。 最後におかれた「首長ティンブクの尊厳」も面白かったです。偉大な父をついで王となったティンブクには、しかし父ほどの偉大さはなく、拉致してきた女性にも軽蔑され…。ラストも、独特の余韻を残します。 こちらも読了してから記事を書くまでに時間があいてしまったので、簡単な記事となりましたが、このあたりで。 (2010/04/07読了)
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Last updated
2010.05.04 07:29:19
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