2010/05/09(日)08:35
池上彰『見通す力』
池上彰『見通す力』
~NHK出版生活人新書、2009年~
最近気になっている池上彰さんの著作をまた読んでみました。
「見通す力」―それは、情報を収集し、整理し、仮説をたて、検証する(そして再び仮説をたて…)過程で得られるものだと、池上さんは言います。あくまで、それは「仮説」ではあるのですが、上の過程を丹念に行う中で、その仮説も現実となる可能性が高くなっていく…。本書の主な主張は、このようにまとめられると思います。
本書の構成は以下のとおりです。
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序章 「見通す力」を使って将来を予測する
第1章 「見通す力」はこうして鍛える
第2章 見通すための情報収集(1)―新聞、テレビを使った「ニュース定点観測」
第3章 見通すための情報収集(2)―雑誌や書籍、ウェブサイトなどを使った「深掘り情報収集」
第4章 仮説を設定し、検証してみよう―信頼できる情報をもとに、「これから」を予測する
第5章 私はこうして先を見通そうとしてきた
第6章 「自動車業界」のこれからを見通してみよう
終わりに 「見通す力」の活かし方
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例によって簡単な言葉で書かれているので、とても分かりやすいのに加えて、各章末には章のまとめもあるという、とても親切な構成となっています。
この中で興味深かったエピソードは、サブプライムローンにはじまる世界経済の悪化について、池上さんがある程度予測していたということ。もっといえば、ニュースで騒がれるようになるずっと以前に、雑誌で扱われていた「サブプライムローン」というものに関心をもち、それを詳しく調べたことによって、経済の悪化を予感した、ということです。
こうしてみると、たとえばテレビなどでのちょっとした特集で取り上げられるテーマについて、興味をもって深く調べていくと、いろんなことに応用ができるのでは、と思われて、まさに冒頭でまとめたような池上さんの主張に納得できたのでした。
それをどれだけ実践できるかが、課題となるわけですけれど…。
本書も興味深く読みました。
(DIV ALIGN="RIGHT")(2010/04下旬読了)