カテゴリ:本の感想(か行の作家)
北山猛邦『猫柳十一弦の後悔―不可能犯罪定数―』 ~講談社ノベルス、2011年~ 前回に引き続き、北山猛邦さんの作品の紹介です。 本書は、講談社ノベルスからは初の、「城」シリーズ以外の長編です。そして、とても面白かったので、ぜひ、シリーズ化してほしいです。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ーーー 私―君橋君人(クンクン)と月々守(マモル)は、探偵助手学部に在籍する学生。 2年生になり、ゼミを決める際、冗談で第三志望に書いた猫柳十一弦ゼミに所属することに…。 猫柳は、まるで幽霊みたいな、まだ25歳の女性で、話しぶりもとても頼りない感じだった。 そんなゼミの3人は、人気ゼミの雪ノ下ゼミの一同と、合同で孤島合宿にのぞむことになる。 ところが合宿の最中に、事件が起こる。 地面に流れていた蛍光塗料をたどっていくと、杭を打ち込まれ、全体に蛍光塗料が塗られた、ゼミ生の遺体があった。また、宿泊している館の地下室では、密閉された箱の中で別のゼミ生が死んでいた。 犯人は誰なのか。そして、どれだけ犯行を重ねるつもりなのか。 猫柳探偵は、クンクンとマモルという二人の助手とともに、さらなる犠牲者を出さないように尽力するが…。 ーーー これは面白かったです。 いくつか疑問点は残りましたが、それはそれ、たっぷり物語の世界を楽しむことができました。 ちょっと冷めた感じの(でも熱い?)クンクンの一人称で物語は進みます。相方で元気の良いマモルも、ちょっと頼りなげですが覚悟をもっている猫柳先生も素敵で、主人公たちのキャラクターが楽しいのが良いですね。 事件の方は陰惨ですが、とにかく事件を未然に防ごうとする探偵たちの活躍に、手に汗握りながら読みました。 良い読書体験でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.06.10 10:01:27
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