カテゴリ:本の感想(あ行の作家)
有栖川有栖『ダリの繭』 ~角川文庫、1993年~ 火村&アリスシリーズの長編です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ーーー ダリを尊敬している宝石店社長・堂条秀一は、ダリのような髭で注目を集めてもいた。 彼は、フロートカプセルという装置に入り、リラックスすることをひとつの趣味としていた。 ある日、彼がなかなか出勤しないのを心配した社員は、彼の弟で副社長の秀二とともに、秀一の別宅を訪れる。そこで発見されたのは、フロートカプセルの中に浮かぶ彼の死体だった。しかも、トレードマークの髭がきれいに剃られていたのだった…。 有栖川の友人も、複雑なかたちで事件の渦中にあった。 家族関係か、金銭関係か、恋愛関係か。動機をめぐる問題のほか、現場では、火村がいくつもの違和感を覚える。 はたして、犯人は誰か。そしてなぜ、秀一の髭は剃られていたのか…。 ーーー 何年ぶりでしょうか、ものすごく久々の再読です。 奇妙なカプセル、剃られていた髭という、印象的な設定が多く、おぼろには覚えていたのですが、やはりほとんど忘れていたので、驚きながら、楽しみながら読めました。 違和感を覚えさせる原因がどんどん指摘される過程、そして髭が剃られていた理由が明かされるあたりなど、わくわくしました。 ミステリの醍醐味を味わえる一冊です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.08.05 21:12:45
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