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のぽねこミステリ館

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2012.09.04
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北村薫『秋の花』
~創元推理文庫、1997年~


 「円紫さんと私」シリーズ、初の長編です。
 そして初の、人が亡くなる物語です。
 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

ーーー
「私」が卒業した高校の文化祭が、今年は開催されなかった。理由は、準備期間中に、学生が屋上から転落死するという事件が起きたから。
 その学生―津田は、「私」の後輩にあたる。小学生の頃、登校班で一緒だった女の子だった。
 そして同じ登校班で、津田と大の仲良しだった和泉は、事件後、様子がおかしくなってしまった。「私」の近所に住む和泉は、雨の日に駐車場に座り込んでいたりして、気づいた「私」は彼女の介抱をする。
 津田の教科書のコピーと思われる紙が「私」の家の郵便受けに入れられたり、また直接的に、津田が殺されたという趣旨のメモが入れられたりするということがあり、「私」は事件の背景を探っていく。
 円紫に事件の話を相談したとき、思いがけない真相が明らかになる…。
ーーー

 津田さんと和泉さんは、前作『夜の蝉』の1シーンに登場しています。だからこそ、余計に津田さんの死は、つらく、悲しく思えます(真相が明らかになるとなおさら、その思いは強まります)。
 元気な姿で登場していて、物語の途中で亡くなるのではなく、本書では、津田さんが亡くなった後から、物語が始まっています。なので、彼女の人柄は、和泉さんや「私」を中心とする、彼女の周辺にいた人たちの思い出から、浮かび上がってきます。津田さんに似合う、ある言葉をめぐるシーンは、特に印象的です。
 いわゆる「日常の謎」を扱ってきたこのシリーズの中で、死をめぐる本書は、特殊かもしれません。しかし、より重たいからこそ、「許し」というテーマや、人々の思いが、より強く響いてくるようにも思います。






Last updated  2012.09.04 20:47:02
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