のぽねこミステリ館

2013/05/11(土)17:44

氷川透『人魚とミノタウロス』

本の感想(は行の作家)(39)

氷川透『人魚とミノタウロス』 ~講談社ノベルス、2002年~  前回の記事に続き、氷川透シリーズの長編です。  それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ーーー  氷川が街中で久々に出会った男―生田は、氷川にとって、人生に影響を与えた一人だった。現在、精神科の病院に勤務する生田は、氷川を職場に招待する。  生田を訪れた氷川だが、病院では事件が起こっていた。生田がいたはずの面接室で、身元の判別がつかないほどに焼かれた死体が見つかったという。殺されたのは生田なのか、それとも推理小説でよくあるように、生田以外の人が殺されていて、生田が犯人なのか―。  自身にとって特別な存在である生田が被害者なのかどうなのかはっきりせず、もやもやしたまま事件に関与することになった氷川だが、捜査に当たっているなじみの警察は、氷川を頼りにしていて…。  捜査を進めるなかで、さらに第二の事件も起こる。はたして生田は被害者だったのか、犯人なのか―。 ーーー  本作も面白かったです。とにかく理詰めですね。  特に面白かったのは、ラカンについて氷川さんと関係者が議論をするあたりです。なかなか最近は本を読むペースも落ちてしまっているので、こうした議論は刺激になりました。

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