カテゴリ:本の感想(さ行の作家)
殊能将之『ハサミ男』 ~講談社ノベルス、1999年~ 第13回メフィスト賞受賞作です。 それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ーーー 既に二人を殺し、のどにハサミをつきたてていたわたしは、第三のターゲットの調査をすすめていた。そんな中、ターゲットにしていた女子高生が、ハサミ男とそっくりの手口で殺されていた―。 この真犯人がハサミ男ではないことは、だれよりもわたしが知っている。それでは、真犯人は誰なのか。 わたしは、被害者の関係者の周辺を調査し、真犯人を捜し始める。 ーーー これは面白いです。 あるトリックは覚えていたため、なかなか再読ができないでいたのですが、これは再読して良かったです。伏線を味わいながら、そして例によって真犯人のことをはじめ、いろいろ忘れていたので、新鮮な気持ちも持ちながら、楽しく読むことができました。 物語は、わたしの一人称の章と、まだ若い刑事の磯部さんをはじめとする刑事たちが活躍する三人称の章とで進んでいきます。 自殺願望のあるわたしの、奇妙な生活と事件の謎を追うスリリングさの、どこかいびつな感じも面白いですし、刑事たちの活躍も楽しめます。 あらためて、良い読書体験でした。 ※2013年、殊能さんが亡くなられたというニュースにふれたときは衝撃でした。ご冥福をお祈りいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.06.07 22:01:23
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