1375787 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

のぽねこミステリ館

PR

Profile


のぽねこ

Calendar

2014.08.09
XML

小泉迦十『火蛾』
~講談社ノベルス、2000年~

 第17回メフィスト賞受賞作です。
 現時点で、小泉さんの唯一の著作でもあります。

 舞台は、12世紀の中東(場所は明記されていません)。
 詩人にして作家で、各地の(聖人についての)伝承を渉猟していたファリードは、ある聖人に関係のある人物だと聞き、アリーのもとを訪れます。
 そしてアリーからは、その家系のこと、スーフィーとして師のもとで修行していたこと、巡礼のなかで、不思議な体験をしたことが語られます。
 巡礼のなかでアリーが訪れた「山」には、師のほか、3人の行者がいました。しかし行者たちは、互いに干渉することは全くありませんでした。師ハラカーニーの命じたときのみ、出会うことはありえ、そのため、アリーの先に入山していたシャムウーンがアリーのもとを訪れました。シャムウーンは山についてのいくつかを、アリーに語ります。
 そして、アリーがハラカーニーの教えを聞き、言葉では教えられないということを示されることとなった朝―50年以上山で修行しているという、行者が死んでいるのが見つかります。現場の状況は、明らかに他殺を示していました。
 はたして、犯人は誰なのか―。

 ミステリとしては、他人と交渉することのない行者たちのあいだで、誰が、なぜ、どのように殺したのかが大きな謎として提示されています。
 それはそれとして、イスラームを信仰するアリー(しかも彼は独特の修行を行うスーフィーです)の心の迷いというか、修行の過程自体が神秘的で興味深いですし、師との問答もどきどきしながら読みました。
 おそらく、本書の刊行当時に一度読んだきりだと思うので、14年ぶりの再読ということになります。例によって、細かい内容はすっかり忘れていたので、新鮮な気持ちで楽しむことができました。






Last updated  2014.08.09 21:52:58
コメント(2) | コメントを書く
[本の感想(か行の作家)] カテゴリの最新記事


Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

『君の膵臓をたべた… yasukun0402さん

My favorites♪ torezuさん
姫君~家族 初月1467さん
偏った書評ブログ mnmn131313mnmnさん

Comments

 シモン@ Re:西洋中世学会『西洋中世研究』11(05/23) New! コロナ禍で、投稿がご無沙汰になってしま…
 のぽねこ@ yasukun0402 さんへ コメントありがとうございます。 大変ご無…

Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.