のぽねこミステリ館

2014/12/06(土)13:30

横溝正史『大迷宮』

本の感想(や・ら・わ行の作家)(148)

横溝正史『大迷宮』 ~角川文庫、1979年~  ジュヴィナイルものの長編です。金田一耕助も登場するのが嬉しい一冊。  それでは、簡単に内容紹介と感想を。 ーーー  サーカス好きの少年、立花滋がいとこのもとへ遊びに行く道中、サーカスから逃げたと噂される少年を見かけた。そして、数日後。いとことともにサイクリングに行っていた滋は、とつぜんの豪雨に打たれ、なんとかたどり着いた洋館に一泊させてもらうこととなった。洋館の主は、サーカスから逃げた少年とそっくりだった。  その夜、何者かに襲われた二人が翌朝目覚めると、泊まったはずの洋館から、一切の家財などがなくなっていた。はたして、何が起きたのか。  サーカス王が残した金塊をめぐり、さらに事件は続いていき…。 ーーー  横溝さんの物語は本当に面白いですね。とにかくぐいぐいと引きつけられます。  ジュヴナイルでは、少年の活躍に主眼があるので、金田一さんは脇役的なところがある印象ですが(本書でも重大な失敗をしてしまいます)、それでも本書では、少年たちの良き導き手のような立場でもあり、嬉しかったです。 『怪獣男爵』の続編なので、同作を読んでいると、より楽しめるかと思います。

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