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のぽねこミステリ館

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2015.05.02
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谷崎潤一郎『谷崎潤一郎犯罪小説集』
~集英社文庫、2007年~


 恥ずかしながら『痴人の愛』も『細雪』も未読の私にとって谷崎潤一郎さん(1886-1965)の作品を読むのは本作が初です。
 今までにミステリを読んできた中で、「こんな手法があるのか」「こんなのがあるのか」とびっくりしたいくつかの要素がほぼ全てに入っていて、とにかく楽しめました。へたなミステリ(幸いにして読んだことはないと思いますが)よりははるかに面白いと思います。
 前置きが長くなりましたが、本書には4編の短編が収録されていますので、ごく簡単にそれぞれの内容紹介と感想を。

ーーー
「柳湯の事件」自分は人を殺したのかもしれない―そう言って、弁護士S博士を訪れた男は、奇妙な話をする。内縁関係のような女との暴力、銭湯での奇妙な体験などなど…。男は、はたして人を殺したのか?

「途上」会社員湯川に、探偵を名乗る男が接近してきた。探偵は、湯川の前妻の死について、話を始める。探偵の意図は何なのか?

「私」私が住む寮で、窃盗事件が多発していた。私もたまに着る服を着た犯人の姿が目撃されており、友人の一人にも自分が疑われているようだが…。窃盗事件の犯人は誰なのか?

「白昼鬼語」精神に変調をきたしていると思っていた友人が、殺人事件の発生を予知する。友人は、映画館で自分たちの前にいた男女が取り交わす暗号文を見て、事件発生を推理したという。そして、殺人の現場を一緒に見に行こうと誘われるのだが―。
ーーー

 冒頭の「柳湯の事件」は、怪奇色の強い作品です。謎解きとしては物足りませんが、どろどろした雰囲気に飲み込まれます。
「途上」「私」いずれも、私が今までに読んでびっくりした手法が使われていて、本書解説でも、「途上」はその筋の手法を内外の推理小説史上最初期に使った作品だと評されています。面白かったです。
「白昼鬼語」は、背表紙で内容紹介が書かれており、また本書の中で最も分量の長い作品です。ポーの暗号の話から、事件を予知する論理の過程など、読みどころ満載です。真相にもやられました。

 良い読書体験でした。

※2013年に読んでいましたが、記事の投稿をし忘れていました。






Last updated  2015.05.04 12:16:22
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